米澤穂信の新作、本と鍵の季節– 2018/12/14 読んだ。
『 放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
爽やかでほんのりビターな・・・ 』
こういう設定なら、古典部シリーズとか期間限定シリズとかで書けばいいのにとか、氏のファンなのでつい思ってみたりもしたが、シリーズものというものは続くにつれて設定が色々と積み重なって煮詰まってくるので、なかなかフリーハンドの自由さもないんだろうなとか思ってた。
で読んでみてだが、なるほど是れはオレキホータロウやチタンダえるの周辺では書けない。氏の学園ものシリーズの読者に対しても多分隙を狙ってきたのだろう。
なるほどこう来るのか、こう来ましたか・・・です。
学園ものに違いは無くてサクサク読めるのだけれど、全体印象として氏の一般小説のようなトーンも私には感じられた。
1話のなんというかある種インパクトが、これで彼彼女らはどうなっていくんだろうではなくて、1話そのものがある種伏線であったというか、このあたりは文章も造りも相変わらず巧いものです。