俺ガイル、完結。
[渡航] やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 第14巻
これで完結。
本物という言葉に押し潰されないで良く頑張った。作者も比企谷 八幡も。
比企谷にそぐわない、その余りに真ん中でストレートな言葉に読者もキャラ達も衝撃を受けたのだったが、問題はその後どう収めるか?だった。
後続の巻ではトーンが重くなり、キャラ達の生気も衰えたかのように見え、何よりも作者が成すすべもなくそう仕向けている様な印象が、勝手な読み間違いであっても、そんな感じに見えて最終巻がでてもさほど読む気になれなかった。
自分で書いておきながら、作者は『本物』に押し潰されてしまったんだろなあ、とか。
であるが〆で盛り返した。
一昔前の本物ホンモノの解のように自分探しの旅に出る訳でもなく、最も前の昭和のように政治と社会に活動の場を求めるのでもなく、それが悪い訳ではないけれど、彼と彼女は誠実に互いに対峙することを選んだ。
『ただ一言で済むのに』とは小説中の言葉だが、それだけで済ませないのが著者の粘り腰であり意地でもあったのだろう。
それでも誠実さと真摯さを失わずに彼と彼女が向き合ったことは、たとえそれが些細なことであったとしても拍手をして上げたい、そんな終幕でした。