白銀の墟 玄の月 十二国記 読み半ば
1巻読んで2巻半ば以上読み中。
荒れ果てた世界で、その因となるものは悪政というよりも無為に行き着くという、対立と対決を見いだせない不思議な展開。
別に純文学であるのならば面白くもなく悲惨な話ばかり続いてもおかしくはないのだけれども、これが面白いのだから不思議なところ。
民が死んだり棄損されたりする話がぽつぽつ挟まれると、普通なら気が滅入ってきて名作でもこの小説読むの面倒だなとかにも成りかねないのだが、書を開けば巻を置くに能わず、といった引きの強さが1巻半ば過ぎから続く。
これはどういうことなのだろうかと思うに、やはり小説が描く豊饒な世界、悲惨とか幸福とか戯画とかという性質ではなくて、小説の厚みと深みがやはり十二国記はちょっと違うのだ。
遅々としているようでも麒麟は天界に足懸りを付けるし、地上で主君を探す一行はゆるゆると手掛かりの範囲を狭めつつある。
3巻は 11/9 発売とかで、ゆるゆる読んでもそこまで持たせられない、あと半日か持って2日で2巻読了だろう。
でも、鉄板の愉しみが有るというのは良いものだ。
前々の作までは、こちらのホワイト文庫で持ってます。