ガラスの仮面 強力なコンテンツを前にして.
ひと月前、ガラスの仮面がkindle化されたとの事だったので、少しの間は1巻から3巻は0円だったのでゼロ円購入。
はじめて読んだのは20年くらい前だったか、よく覚えていないが、その頃すこし通っていた小さな病院の待合室に巻が並べてあった。
20巻程度かも少し前か、そのくらいまで読み進めた。
病の不安をちょっと忘れ去れるくらいのオモシロサ、は記憶に残った。
少女マンガをふと手に取ったわけでは無い。
たぶん少女マンガをふと手に取ったりはしない、小説家の絶賛の文章が記憶にあったからだった。
当時、少し前に新潮社広告雑誌『波』に連載していた小林信彦の小説世界のロビンソン、体験的小説論と名打ってのエッセイ。
ここで小説でないのにもかかわらず、少女マンガのガラスの仮面が絶賛言及されていた。
その記憶が強くあったのだとおもう。
無料雑誌の『波』は、郵送料を送れば定期的に毎月家に送ってくれる。
私は数十年そうしている。
大きな本屋には置いてあるから、見てみて読んでみて検討するのも、そういうお取り寄せは文学好きには選択嗜好の一つだとおもう。
無料巻からやっぱり有料kindle購入にズバズバ進んで、当時読んだあのそのエッセイも読み返したくなって、これもアマゾンで購入。
いまは内容をわずかに改め、
『面白い小説を見つけるために』 小林 信彦 (著、 となっていた。
この本は、コアな文学から大衆小説、エンターテインメントにわたって広く深くプレーンな視点で面白さを見据えて評論していった文章で、それは当時としては珍しかったし、図らずも現在の平坦な文学状況、いや活字媒体よみもの状況を先取りした、もしくはもたらすのに一役買った優れたエッセイ。
ガラスの仮面については後半、小説ではないので一頁少し触れられているだけだが、まあそれでも此の本のバランスでは言えばpointをクッキリ示した印象。
絶賛と感嘆のなかに一言程度キビシイコトバがあったのを見つけたのは、これは再読のよろこび。
コミックをkindleで読み始めて、なんせ面白いから読み進み過ぎるのも具合悪い、12月はいろいろ面白そうな他の書物新刊もおおいし、楽しむには早いペースにしろ一定の日にち間隔が必要だろうと、ガラス仮面は1日1巻以上は購入しないと決めていて、そんな感じで読み進めていたのだが、奇跡の人舞台が始まった辺りではあえなくその基準も破れて読みふけり、今はテレビドラマ突入でちょっと現在は落ち着いているのだが、これからどう振り回してくれるのか楽しみにしている、そんなところです。