oidon00のブログ

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 ガラスの仮面、40数巻。

12月半ばから読み始め、分かっていたというものの読み切る覚悟をして置いて正解でした。


Kindle で巻を読み重ねて、あっという間に10,000円オーバーなんて初めての経験。
面白いもの楽しむなら、この程度の覚悟いるね。
酒代なら少し回数で1万突破なんてよくあるし。

 

狼少女なり二人の王女なり、佳境に入って来た辺りからの読者を引く力は尋常ではない。徹夜して読んでみたくなるが、そこは良いところで本を置いて、半日なり一日なりの時間を開けて又読み始めるのがジックリたっぷり楽しむ秘訣。

 

ずっと面白いのだが、マヤが芸能界入りして成功しつつもイジワルやらインボーを乗り越えていくあたり、この辺りが一番フツーの面白さで、つまり全巻通してなら比較して一番タイクツなあたり?
まあ最初1.2巻も比較そうかもしれない。


でも、この芸能界入りごたごたもちゃんと伏線になっていて、二人の王女オーディションから又またグイグイと引き込んでくれる。

 

実は終盤の紅天女あたりは面白くないのだろう、と思っていた。
樹の精霊で人とは思えなかった、なんてフレーズは能の亜流のようだし、第一『能』に判り易い面白さなど求めようもない。
だから詰まらんけどガラス仮面ファンだけが盛り上がってるのだろうと。

 

でもそうではありませんでしたね。
源三を語り部に起用して紅天女を叙述させていくのに先ず驚き。
源三はただの使用人キャラではなかった。


あとはいろいろとあるが、舞台の上から直接個人の人生までも巻き込んで、クラッシックに少女漫画スタイルなのに、剛腕にして読ませる強引さを持って読者をあれよあれよと振り回してくれる。

お嬢様の鷹宮紫織さまにも物語上インパクトのある役割を振られる。


このあたりストーリー御話とはいえ、1巻でマヤを住まわせていた中華料理屋といい、マヤは出前を忘れたり料理をバタバタ落としたり出前を届ける前に劇場に入り浸ったりと、中華屋のオヤジにはホント同情に絶えないのだが、そんな哀れさはありますね、ハナシとは言え。

 

全体通して、

演じる物語自体の面白さ。

演じることに格闘するactor達の面白さ。

舞台裏の思惑や図り事の面白さ。

芸能ジャーナル的に個人の裏側を覗き込む面白さ。

 

なによりも一つの物語が、演技の練習のために何度も繰り返されるのに、それでもなお本番として図太い物語そのものの面白さを表現して見せる筆力。

・・・このあたりのそれぞれの面白さが互いに絡み合って行く様についても考察してみたい気はあるが、ちょっと大変そう。

 

 

千万の人が語っているだろう本書について、今更感想もなにもないものだけど、やはりこのインパクトには何か書き留めたくなって、とりとめもなく綴ってしまいました。