虚構推理(1)月刊少年マガジンコミック Kindle 城平京・片瀬茶柴 (著
きわめて魅力的。
原作小説は未読だが、アニメ『絶園のテンペスト』のライターの城平京の作ということで興味を持って手に取った。
異界に足を踏み入れたらしいガールmeetsボーイ、という出だしで、その普通な設定でも捻りがあってフツーに魅力的なのだが、元々の原作小説はなんと <第12回本格ミステリ大賞> を受賞している。
では、これはミステリーなのかと言えば、ちょっと言葉に詰まる。
1巻ではその景色は見えないが、事件解決ものみたいに見えて、しだいに結構どっぷりと一事件に関わる。
そして中盤以降から、ああなるほどと、確かに狭義のミステリではないがミステリとしての確かな骨格がある。
このじっくりと来る感じは、これは小説ならではのものだとか。
6巻読み越して終わってみて、これはスゴかった唸るものが有りました。
一般小説の深みも幅も知ったうえで、ラノベやアニメの文法も押えつつ、ちょっと無いような作品に出来上がっています。
ヒロインの岩永琴子が魅力的、解説も紹介も何も読まずに1巻を読むのが1番楽しめると思う。
設定を徐々に開示していく手腕はなかなかのもので1巻はその世界観プロローグとして楽しく、1巻ラスト近くに本筋にかかわる些細なバトル、よたよたとした岩永琴子のばとるもあって是又コミック化の魅力発揮のもの。
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おそらく原作小説では、ミステリ骨格の細密さがあるのだろうが、コミック作画は原作有りとは感じさせない、全く不足の無い出来。
お金持ちの令嬢とありふれた設定でも、失ったものに余り気を留めない、結構大きなものを無くしても気にしない、一般アニメのヒロイン達に比しても負けない可愛さも持ちつつも実は肉食系頭脳派で会話も楽しい。
日程未定ですがアニメ化も予定されている。
設定上ちょっと余りアニメ作画されていないような画も多分もちょっとだけあるので、そんなのも楽しみです。
いままで知らなかったのですが、そんな新しいヒロインが誕生していました。
これからの私的大注目です。
コミック虚構推理、冒頭86ページ試し読み。
http://www.magazine-r.co/comics/kyokosuiri/
たまたまですが、裏世界ピクニックといい都市伝説に関係する今の本を読んで面白かったことに変なカンドーあり。