貧者の一票 2016/12/24 渡邉 哲也 著
貧者の一票 グローバル経済の崩壊と連鎖する無血革命 2016/12/24 渡邉 哲也
せーじ的なことに触れてあれこれもなんだけど、読んでみて最近は転換点にあるとか常々おもっていたので、本の内容と私的な感想をごちゃ混ぜに。
安倍政権が給与引上げににまで口を出す一見社会主義的な動き、英国のEU離脱や米トランプ勝利におけるマスコミのミスリード。
などは共通した底流があると思っていた。
イギリスは船荷に代表される貿易保険を欧州で余多取扱う能力があり、
『ロンドン金融市場デリバティブはユーロの7割を占める。
英国のEU離脱により、こういった簡単に代替えできない金融システムが欧州大陸から遠ざかることになる。シワ寄せは大陸の方に来る。
ドイツの主力銀行は米サブプライムローン等のリスク資産を、未だ清算できないまま破たん寸前にある。
欧州大陸経済の弱体化。』
『経済的な失敗や破たん状態にあっても、中国やロシアは軍事拡大路線を取り始めた。
自由平等人権といったモラルを顧みないのは米トランプでなく、現実に領土を求めて戦争を初めて占領している中露である。』
『ベイシックインカムとは、国の社会保障や国土管理をほとんど廃止して、その余剰を国民に分配して後はお前達で決めて判断しろというのが元々のもの。』
半世紀前あたりから多国籍企業が蔓延し、課税根拠地を巧妙に隠すようになった。
『近年の企業の国際的アウトソーシング。無国籍利潤と引き換えに自国労働者の困窮化。
国を超えて最安地の国を求めるグローバリズムでなく、トヨタホンダの米国現地生産のように消費地での生産は生き残る。』
『一方、リーマン後から始まった企業の四半期決算のため、多くの企業は中長期的視野を失った。』
いまのせかい、根幹にあるのが既存マスコミの腐敗と機能不全。
ネットでダイレクトに見聞き判断する能力を持った新しいmassにとって明らかなものだが、企業マスコミ内部で組織を守る人間には解らない。
明治維新の様な変革が次にこれから起るとすれば、今度は政体が主な対象ではなく、目的とするものは既存マスコミ新聞テレビの解体であろう。