かぐや姫の物語
「かぐや姫の物語」観てきました。
序盤、姫の成長の早さで見せるのは工夫が効いてる。
中盤からの盛り上がりは、あの絵でよく盛り上げて見せるものだと感心。
姫が十二単を脱ぎ散らしながら疾走する場面はテレビ予告で善くやってたが、あまり感心しない作画だなぁとかテレビ予告では思っていたが、映画画面で見てみると、あーー全然違って見えて、前後のメリハリもあって、ダイナミックな躍動感に目を奪われた。
かぐや姫付きの禿、彼女の呆顔キャラ設定も好きだ。
彼女はつなぎのキャラで、あの顔キャラは姫と他人を繋ぎ、特に無我っぽい顔は、ラスト部分で子供達と繋いで違和感ななく、その伏線にもなっている。
この辺など巧妙。
帝の三角顎もよかった。
好きなのは、婿選びの財宝ちょうだいの難題。
美人の嫌らしさとも取れるし、偽善を穿つ痛快さとも取れる。
原作ならでは?の魅力。も少し長くやってもよかった。
古典竹取物語は、今なお物語の魅力を保つ優れた作品。
今回の脚本は、全体に練りこまれて、よく出来てる。
ヒロインの感情は深く検討されて、その起伏と波乱は現代的にも理解できて、その行く先として、展開や結末が違う形になっても不思議ではないほど。
その上で敢えて古典を尊重して、その枠組みを変えることなく再構築し、現代人のセンシティブに感応させる作品に完成させた。
これは文芸復興、素晴しいルネッサンスではないだろうか。
ちと直接の関係はないけど、映画館の予告で、ディズニー映画予告で、長いドレスを引きずったプリンセスが尖った雪山の山頂を歩んで、歌と仕草で雪と氷を舞わせて、凄い声量で歌い上げてしまうまでに氷の城を完成させる、1曲丸丸使ったディズニー映画の力作番宣があったが、これが図らずも西洋と日本の姫様対決みたいになって、しかも尚、全く違うので互いに比較の対象にならないという確信と結末まで感触したようで、これも何かおもしろかった。