ちょっと前に珍しい事があった 古本
前に光圀伝 ・冲方丁を読んで興味深かったので、光圀についてもっと知りたいと思っていた。 明治維新の勤皇の元祖でもありますしね。
光圀自体が重要な履歴の多い人なので、光圀伝は大冊だけど流石に小説後半は履歴の走り書きのような、ダイジェストのような感が無きにしも非ず、だった。
全8巻のホントの長編大冊。
私が学生の頃に 講談社文庫で刊行されていたのを覚えていた。
村上元三は、実力はあるがブレイクはしなかった時代小説の大家、との評判だけは何処かで読んでいて、氏の作品は読んだことは無かった。
それで、この全8巻も読んでみたいなと思って、それだけで。
本当に思い出しただけ、だったのですが。
それから1週間ほどしないうちに、町内会で古新聞とかアルミ缶とかの資源ごみ搬出の日、家ゴミを持っていったら「水戸黄門」村上元三全8巻がビニール紐で縛られて隅っこの地べたに搬出されてた。
私は、ちょっと立ち止まってしまい、家には本がいっぱいあって困っているし、人のごみを持ち帰るのもなんだか、とか思って帰り掛けたが。
捨てるのは何時でも出来るし、こんな偶然は滅多にあるものではない、今は当然絶版だし入手は難しい 〈金さえ出せば入手可能レベルだけど〉 、とUターンを切るともう迷わずビニール紐で括られた8冊を取り上げて、いそいそと家路に着いた?のでした。
持って帰った甲斐はありました。 良い本です。
シンプルな文体で、文章にあざとさが無く読みやすい。
水子に流されるはずだった光圀の背景も、じっくり書かれていて良く分かった。
今3巻目に入っているが、埋もれてしまうには惜しい作品であることは確か。
人生の長いあいだ本を買って、本を読んで来て、たまには素敵なこともあるものだ、でしょうか