know [Kindle版] 野崎まど
ラノベみたいに見えて演説小説のパターンか?と危惧しつつ読むと、そうでもない。
次の現実をノベルで見据えようとする力作。
攻殻機動隊の続編もこれくらいの世界観を示してほしいもの。
ありえない場面の描き方も上手い。
たとえばアニメなんかで機関銃で撃たれても主人公には当たらないみたいな。
たとえば、それも機関銃が反動で動きにくい上に主人公が陸上部で脚が速いとか、肩こり磁石の開発で異常に高性能磁力で弾が曲げられるとか。(この小説のことではない)
とにかくそれらしい説明あればいい部分で、この小説の伏線と説明づけは巧妙で全体にも通じるもので巧み。
小松左京のメモ的中編にも匹敵するスケールの大きさもありますし、京都ローカルの楽しさもあります。
異能、活劇、触手?まであります。
感服しましたし、作者は一流の作家であると思い知らされました。