映画、虐殺器官みました。
昔原作小説を読んだときにはリアルのイラク戦争の諸事象との一致点がなにか気になって、リアルにより過ぎかとかの感想だった。
今回アニメ化、原作内容を全然忘れていることもあるけど、とても面白かったです。
大人が見て、言葉を聞くに耐える脚本です。
『 アメリカではテロの脅威に対抗すべく徹底的に情報管理される一方、その他の各地では紛争が激化。
各紛争地を渡り歩く米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉のもとに、紛争の気配が漂い始めるとともに現れ泥沼化に陥るといつの間にか姿を消す元言語学者について調査するよう指令が下る。 』
原作もそこそこ年月がたって、いい感じに見る方も制作側も練れてきたというか、リアルに引き摺られすぎない確かな物語世界。
といっても魅力の大半はリアルベースの戦闘場面の描き込み。
米軍の秘密裏の作戦を、指揮中継から移動そして戦闘と対象確保までじっくり見せます。
これがリアルであるけど、リアルの一歩先の光景を創出しているのがアニメの醍醐味。
ヒロインを始め登場人物は表情が自然に豊か、魅力的です。
現地ロケも入念にしたのだろう、夜のチェコ市街は美しくスリリング。
覚えてないけど、厚い原作を繊細に選択して抽出し、丹念にアニメとして膨らませたことが実感できます。
しかしどんな原作小説だったのか、ちと読み直したくもなりました。
大人の鑑賞に耐えるアニメです。