郊外型スタバ、スターバックスコーヒー奈良鴻ノ池運動公園店.
最近新規オープンして、しばらく時間がたったので行って見た。
奈良市の市街地の北辺、あまり人の行くような場所じゃない?というのは近くにあった遊園地が廃業してもう長くなるせいか、そんな感じだったが、行って見ると、いいロケーションだなぁとか思えた。
それは****一番美しいとか寝言のようなフレーズの事では無くて、奈良市中心部には車では入りにくく、むろん土日以外は容易だろうけど、カフェ営業で駐車場を確保することは難しくて、行く者は別途に時間貸パーキングを見つけないといけない。
そこで漠然と、カードライブで奈良へ行ったカフェへ行った、という感じを満たししてくれる店。
そのへん的中させている。
朝早く行ったけれども駐車場には奈良以外に、大阪・京都ナンバーもありありで、滋賀ナンバーまで1台あった。
郊外宅地の周辺域なので、歩いてくる人は余りいないだろう。
カフェ自体は、別に特に美しい池に面しているわけでは無いが、都会の壁と人間のカフェに比べると自然に落ち着くのは紛れもない事実。
車でブィンと走らせて、小一時をほっとさせる時間の受け皿。
良い店ができたな、とおもいます。
彼女は一人で歩くのか? 森博嗣 。読了
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? Wシリーズ
普通の本格S F小説が、大きなキャンバスに厳格に線を引き緻密に彩色していくのに比べ、森氏はデッサンのような線画であっさり対象の輪郭を示す手法。
『 ウォーカロン。
「単独歩行者」 と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。
人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。
研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。
心当たりはなかった。
彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。
人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語 』
作者に近いような研究者は外界に無頓着。
007のような活劇が身に降り掛かっても淡々と状況に身を任せる。
AI、人工臓器細胞、ロボット、人間のアイデンティティ、がさりげなく巧妙にストーリーに織り込まれ、ラノベのように軽く読めつつも、私達が近く直面せざる負えないジレンマや問題に向き合うことになる。
作者、森博嗣の著作方針として昔の話ではあるが、分厚い長編小説は今求められないからキリのいい小さくまとまったノベルが求められている、そんな風に書く、とのコメントあった。
実際その通りの著作方針で、以後は『数奇にして模型』のような大冊は書いていない。
新書にしてl cmくらいの厚さの本をコンスタントに出し続けている。
でも本当に実績のところと見てみれば、それがシリーズとなって実質的には10冊くらいの二ミマム大河ノベルになっているので、読み手としてもやや困惑だが、こういう、今回の彼女は1人でみたいな面白いものをサラリと出されると、金銭的なことはともかく嬉しいものだと、そう思います。
でも、アマゾンディスカウントみたいなので、シリーズ読みは進捗状況によっていろいろ大きく割引ますよ、みたいな方針広報なんかもあっていいかも、なんて思ったりします。
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? Wシリーズ (講談社タイガ)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/10/20
- メディア: Kindle版
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虚無回廊 小松左京
図太い骨太の本格SF小説。つくづく小松左京が亡くなったことは日本にとって残念な事だった。
『 “SS”―宇宙空間に突如出現した謎の物体。
真径一・二光年、長さ二光年という、人類の技術をはるかに超えた存在を、一体何者が何のためにつくり上げたのか?
AE(人工実存)の研究者・遠藤を中心とした探査計画は、AE・HE2によるSSとのコンタクトをはかる。
しかし遠藤は突然の死を遂げ、HE2からの通信も途絶えてしまう。 』
私の知性では及びもつかないリアルな概念を物語で網羅し駆使して、見る事の出来ない遥かなる景色を見ることが出来るのは小松大人ならでは。
これを読むと、氏の名短編集『ゴルディアスの結び目』からインスパイアされて開花したものが本作だと良く判る。
時系列と空間地理を軽々とスキップ出来るのは、ヒューマンドラマのベースでない物語の骨格と血肉を作者の手中に収めているから。
最近やっとリアルに出現し始めたAI 人工知能、その先の先を科学·宇宙·人類ベースで見透す博学を使い熟す知性。
高齢なってなおこの様な、ど真ん中の本格SF小説を執筆していたことは、今更ながら感嘆する。
未完に終わったのは残念だが、それでもなお輝きを放ち続ける作品。
未完のような感じでも、屹立した完成度の高さを求めるなら、短編集『ゴルディアスの結び目』。
また読みたくなって来た。
「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ −これからの製造のトレンドとエコシステム 藤岡 淳一 .
めずらしくビジネス系の書物など。
テレビ東京系のライトドキュメントとか、nhk男流儀とかのようにショートレンジだったり話で盛上げ過ぎない感じ。
日本の中小企業は物作りで中国に負けてしまったのか、追い付きまた追い越せないのか?
と漠然とした印象を持っていた私には、素直にリアルを見せてくれた好書だった。
中国に負けているのかと言えば、ある意味では負けていない。
しかし負けた領域を回復させるのは難しい。
物作りのイミが違う。
中国では膨大なB級C級素財が流通し、膨大な零細中小が泡のように製品を造り続け、メーカーと称する者がそれを買って自社のシールを貼って販売する。
百鬼夜行のような余たの製品群があって、そのチョイスだけというー面もある。
製品をアイデアから作ると言うのも、また一面にすぎない。
この辺のCランクの底の厚さ深さは、日本がどうこうできるものではない。
その上での処方箋もあり、別に中華礼賛の鼻高もなく、日本ダメダメの嫌らしさもなく、淡々と事実と実績を著者には好感でした。
「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing)
- 作者: 藤岡淳一
- 出版社/メーカー: インプレスR&D
- 発売日: 2017/11/24
- メディア: Kindle版
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わたしたちが孤児だったころ (カズオ イシグロ)
日の名残り、で見せたような、感情表現を行きつ戻りつしながら収束させるような文体、時系列についても同様にややゆらゆらしながらも確かに話を進める。
ああイシグロ氏だなと1.2作しか読んでいないのにフムフムと頷いたりする。
探偵と言う言葉が出ながらもミステリーではなくて、その周りから全体を見る様な、ちょっと不思議なスタイルでもある。
『 イシグロは、様々なタイプの物語スタイルを精緻に換骨奪胎していくことをひとつのテーマとして、小説を書き続けている作家 』 村上春樹
ロンドン、上海と物語は過去と現在を交差させながら、それでも文学的な語り口から、最後には肌がヒリヒリするような冒険に足を踏みいれる。
第1次世界大戦の前夜、阿片貿易と上海の闇、租界の無国籍なノスタルジア、かっての少年はロンドンで成功し名を揚げる。
その実力と名声をもって再び上海に向かう。
説み深めていくと、ちょっとサマセットモームの影響かと思えるような展開もあって、個人的に嬉しくなったりもしました。
この作品はミステリーではないけれども、明らかにミステリという形式に触発されて新たなるスタイルを創り出したものだろう。
小さな部分に焦点を当てれば、ミステリそのものといった部分もあるが、人間を見据えるロングレンジでかつ複眼的な視野は、上重な文学そのもの。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,入江真佐子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 文庫
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モーニング食べたリ、コミック読んだり。
正月あたりとか言っても何をするわけでもなく、だらだらと読書やコミック三昧だったが、それではあまりにもメリハリないだろうと思って、朝食だけは外へ。
早くから開いているカフェ・茶店・マクドなどへ。
洒落たスターバックスの次の日にコメダ珈琲に行って高齢者寄りの爺クサイ落ち着いた空気に包まれたりして、その落差を楽しんだりしてました。
姑獲鳥の夏、コミック。
感心する程いい出来のミステリのコミック化。
原作の歴史と民俗学の話をうだうだと続ける感じなんか、よくも省略せずに会話の続くコミックにしている。
これでも原作からは相当省略しているのだが、この辺の手際は大したもの。
ストーリーを消化してコミックにする腕も感嘆するが、何よりもキャラの表情がすごい。
ヒロインの涼子の登場場面には感心。
ああこういう美人はこういう表情をするんだ、何もわかっていないし何もかも分かっている顔、そんな顔や表情が話と相手によって変転する。
こういう美人って、ああいるよねとか。
この画力には圧倒された。
絵そのものと言うより、物語の上に乗った絵の生きた感じが、です。
これは是非アニメ化して欲しいとおもったが、最後まで読んでみて、改めて色々と酷い話でもあるので、ざんねんだがアニメ化は難しそう。
トリックにしても、文字でなく絵にしてみると、極めてトリッキーで綱渡りなのがよく分かる。
無論それが面白いのだが。
小説や文学といったウダウダとした脳欄と湧乱の中でこそ生息し得る、そんな奇怪で繊細なハナシをみごと絵綴にして見せた一冊。
ただ京極夏彦の、あのミステリ大冊群が好きでなかったら、お勧めするにはやや躊躇する。
一汁一菜でよいという提案、少し変わった子あります、の2冊。
少し変わった子あります (森 博嗣)
こういう地味な文学的な面白さも書けるんだと、今更ながら小説家森博嗣氏の多彩な才能に驚いた。
大学教授が同僚との話、から始まる。
大学の教授周辺事情は森氏の私小説のように詳しい。
くだらない会議、上品な学生、一人だけで過ごせる時間の充実。
友人から料亭らしき店の話を聞く。
本当に食事をするだけの店らしいのだが、どうも要領を得ないし、友人も言い難いらしい。
そうしているうちに、そんな文藝風に話は進むのだが、思い出したのが川端康成の眠れる美女。
そんな官能は全く無いはなしだが、眠れる美女設定の極一部を摘出し、大きくアレンジ膨らませたみたいな感じ。
不思議なストライクゾーンに投げて見せたものだ、みたいな読後でした。
一汁一菜でよいという提案 (土井 善晴)
料理研究家土井勝の次男にして、現在父の衣鉢を継ぎ更なる活躍を続ける氏の、営業や美食ではないストレートな言葉が綴られる。
毎日食べる食事は、常に美味しくある必要は無い。
御飯と味噌汁だけで良い。
具を多く入れた味噌汁はそれがお数。
もともと主菜副菜ではなくて、御飯を食べる為のお数だった。
御飯、味噌汁。あれば漬物、これで普段は十分。
お店で惣菜を買ってきて並べてアレンジするより手間入らず。
簡単でも自分で料理する事が大事。
別に贅沢や外食を否定している訳ではない。
ハレの日も有ればケの日もある。酒を呑む日もある。
家で普通に食事をする時の力を抜いた提案、というか食事のルネサンスのようなものか。
理屈ではなく歴史と経験と常識から腑に落ちる、納得がいく提案。
目から鱗でした。
ガールズ&パンツァー 最終章、タブレット手書き文字入力mazec3。
ガールズ&パンツァー 最終章 第1話
T・ジョイ京都にて鑑賞。
ああ面白い。
全6話の繋ぎや紹介だけではない、文句のないこの1話の面白さ。
アニメッぽくなった主題歌、
進学・進路状況が号外になるアニメの乗り、
戦車探しが突然の九龍魔界行に、
barでの対行戦、
お約束とか予め分かっている危機とかでも、ワクワクとドキドキと笑いが止らない。
充実したアニメの充実した出来映えというのは、見ていて気特ちのいいもの。
すごい数の当場人物達なのに、皆隅々まで気が配られている。
新キャラのマリーアントワネット?はちょっと出ながら在存感のあるかわいさ。
おもしろいけど、時間短いと言えば短い。
でも最初から47分と分かっていれば、それ程フマンでもなかったよ。
「最終章 第1話」、上映時間 47分、 通常鑑賞料金 1,200円均一。
1200円というのが、なかなかの押さえ処。
ただ短時間の映画で6回の続き物のせいか、上映館少ないのは残念。
大阪で2館、京都で1館とはいただけない。
* * *
タブレット手書き文字入力、mazec3(手書きによるカンタン日本語入力)
キーボードでない、とぎれない滑らかさ。
鉛筆ペンを使わない掌の負担の無さ
手書きの復権。
文字を長年書きなれた年寄にこそ向いているし便利なアプリ。
年寄でなくとも点打と判断の入力から、指先の曲線構築への移行は、頭脳を賦活させるインパクトがあると推測する。
丁寧に文字を書く練習にもなるし、何より字を書くことの個人的復権か“愉しい。
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郊外型スターバックスコーヒー ×2 淡路島・奈良
四国に急な所用が入ったので朝早くから車を走らせる。
本州から淡路島に入ったところで一休み。
ちょうど7時過ぎだったので開店すぐの、
スターバックスコーヒー淡路サービスエリア(下り線)店。
広い店ではない。
紙コップでコーヒーをもらって、広い公園敷地に出て、明石大橋や瀬戸内海を眺めながらコーヒーというのが一般的なスタイルかと思われる。
今回は朝も早いし寒いので室内でゆっくり珈琲time。
観光地なので通常時間帯では混雑してると思われ、早朝の贅沢。
客は8人ほど。
また別に、
奈良ではロクな飲食店が無い、というはその通りなのだが、街中がどうこうは別として、ローカルらしく車をブーンと走らせて、いろんな店をあたるのもその地にあったやり方かと、思って走らせると30分以内にあったので交通混雑の時間帯を避ければ何とか範疇エリアの店。
スターバックスコーヒー 北生駒ならやま大通り店。
特に何処のドーということの無い奈良郊外ローカルのロケーションなのだが、店内はスタバの良質感で統一されているので、『カフェに来た』感の満足度たかし。
男女年齢経歴を問わず、一人で珈琲を楽しみに来れそうな場所。
また直近では、スターバックスコーヒー奈良鴻ノ池運動公園店、が県の鳴り物入りでオープンしたので、日本一美しいスタバとかいう妄言はスタバfan県民もスルーしてるようだが、全体には結構好評で、またおいおい空いている日時時間帯を狙って行って見たい。
社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた、米国を知るもう一冊。
読みやすい。社会学者という題で、引いてしまうかもしれないが、語り口は学述でなく饒舌な独白体、村上春樹の僕に代表されるような小説的な文学的な語り口。
良くできたノンフィンションライターの書いたベストセラーのよう。
でもライターのようにノンフィクと言いながら創作や嘘を混じえたりしないし、特ダネを誇張することもない。
文学的な語り口だがテーマ探しに脱線したり、自分探しに陶酔することもない。
『 お金持ちのエリートと貧困層が共存し、社会階層を超えたダイナミックな動きを見せるニューヨーク。街を1つにつないでいるのは、外からは見えないアングラ経済の巨大ネットワーク。
何不自由ない生活を送りながら売春組織を運営する超高学歴セレブ、
野心を持ち階級を超えてグローバル都市を生き抜こうとするドラッグの元締め、
家族まで呼び寄せたのに犯罪に手を染め去っていく移民…。
出自も目的も異なる老若男女との出会いと別れを通じて、社会学者としての苦悩と成長を描いた稀有な1冊。 』
新しい形の成果を求めて、若い学者がニューヨークでアンダーグランドのインタビューを悪戦苦闘しながら続けるドキュメント。
底辺の売春、それと全く反対のハイクラス白人女性の遊び売春?、上下問わずに蔓延する白い粉、底辺と上辺とで違うビジネスの有り様、文化が違ってクラスを移動できない・・・簡単に言えば確固たる階級の壁、などなどなど。
売春システム分布についての多めのレポートだが、アメリカのリアルな内部構造を知る一冊になっている。
レッドプラトーンはアメリカの、軍事的な世界的関わり;強力な関係性指向性を示す本だったが、この本はアメリカの内臓の奥底から灯りを照して、そのあり様を示した様な本。
これも大層おもしろかったです。
レッド・プラトーン 14時間の死闘、は面白い。
『 アフガニスタン北東部の山岳地帯に位置するアメリカ陸軍の戦闘前哨(COP)キーティング。 この小規模な米軍陣地は、急峻な山々に囲まれた深い谷底にあった。
2009年10月3日の早朝、前哨に駐留していたレッド(プラトーン)を含む黒騎士中隊の兵士50人は、四方からにわかに沸き起こった猛烈な銃火器の発射音に眠りを破られた。
300人を超えるタリバン部隊による、かつてない規模の奇襲を受けたのだ。
《NYタイムズ》ベストセラー & ソニー・ピクチャーズ映画化! 』
その場にいた当事者が、自らの経験と膨大な調査と聞き取りによって再構成された完全なリアルノンフィクション。
メンバー紹介も面白い。日本では上品に化粧して飾って書かれがちだが、
あけすけにメンバーの悪行も語られる。
ゲータレードにウオッカを入れて飲みつつ、訓練に参加する兵士。
テスト用紙を盗んで退学させられ、マリファナ漬になっていた兵士。
『 マリア・キリレンコ、ロシア・モスクワ出身の美人女子プロテニス選手 』の下着(本物)から漂う香り・・・。
極小さな局地戦といえども、米軍の現在のシステムも象徴的に露わになる。
各地各所に軍隊を大量配備して面を拡げるのではなく、ワールドワイドでは空母と飛行能力で必要な個所に必要な時間に必要な軍事力を投入するという、各国の個別でも面でなく、点と線で地域を制圧する、機動能力を極限にまで高めたシステム。
しかしアフガンの地方の果て、細かく入り組んだ山岳地帯に窪んだ小さな盆地、すり鉢の底のような場所に基地を作っていたため、タリバンから安易に包囲攻撃されやすく、やっとのことで友軍機が応援に集結しても、敵味方が近すぎるのと、高空から見てジグザグの地の割れ目の中を攻撃するような難しさがあり、集結した飛行機同士で混乱することになる・・・・
教養的な、社会考察的な見方はうっとしいかもしれないが、その手の見方が正解なのも事実。
最新の米軍、日本人の軍事知識の欠如、軍事知識の補完と言うか必須項目知識かも。
戦略レベルでは政治経済との密接度が高いので、まだ米軍の軍事スタンスは周知されていなくも無いが、戦術レベルましてや戦闘レベルになると、身を乗り出して知ろうとしなければ知ることができない。
そんな要求を満たす貴重な一冊。
『 タリバンによって綿密に練られた襲撃計画、鉄壁の包囲網、絶え間なく降りそそぐ銃砲火を前に、友軍のアフガニスタン国軍は敵前逃亡、米兵たちは次々と斃れていく。
そのとき、無線から切迫した声が響いた。「敵兵が鉄条網内に侵入! 」 』
あと、アメリカの戦略と言うか目的なのだが、この様な失策的な撤退戦においても、実は本質的には大きく成功している。
確かに消費した兵器武器において金額は、タリバンのそれよりも遥かに巨額だろうが、人的には10倍以上の人数を撃ち取っている。
確実にタリバンの力を削いでいるのだ。
この辺りをどう評価するのか、全く評価しないのかによっては読後感も大きく変わるだろう。
GODZILLA -怪獣惑星-、京都にて、アニーホールバー
京都で時間がとれたのでゴジラアニメ。
三条商店街から山手を望む。
MOVIX京都。
シンゴジラが、政治社会を含めたリアリズムを掘下げたゴジラ・ルネッサンスというか、新たなるゴジラの再構成に成功したのであるが、本作GODZILLA -怪獣惑星-はゴジラの持つポテンシャルの莫大さに合わせ、世界観を宇宙規模に再創造して、アニメの魅力、アニメでのゴジラ世界の魅力を十二分に発揮させた。
シドニアの騎士が地球に戻ってゴジラとウンヌンという誂った評価もチラホラあったが、シドニア東亜重工とは明らかに世界は違う。
スケールをリアルに根ざしている距離感や空間感覚が、これがポリゴンピクチャの上手いところ。
文句なしに、上映時間中楽しめました。
ANNIE HALL BAR。
京駅前には本格的なbarがない、と言われるし実際に探しても見当たらなかった。
ホテルbarとかになってしまう。
中心地から離れた所で、繁華街が栄えているというのは、これまた歴史的変遷があっての事で面白いのだが、四条で飲んで京都駅までいったん戻らないと帰れないというのが、やや面倒くさいところ。
そこでネットで見つけていたbar。
京都駅北を出て直ぐ左折、ビルの合間を真っすぐ行くとアパホテル京都駅前が見えてくる。
そこで右折すると、アパホテルの隣にアニーホールバーがある。
しかしアパではなくて、その隣のハトヤ云々という旅館ホテルのテナントらしい。
期待にたがわぬオーセンテックbarでした。
丸椅子風のイスの座りが柔らかい。
普通の酒から、凝ったというか尖った酒も置いてあるが、アイラ系の酒も氷も繊細に注ぎ扱って美味しいハイボールにしてくれる。
アテに八つ橋が出てきてビックリ。
これは当り、の店。
京都の夜でした。
水道パッキン交換、してもらう。
キッチンの水栓が前々から締りが悪い。
固く力を込めて締めないと水が漏れる。
数日前から締めてもポタポタが止まらなくなり、水滴の着音が耳障りなので着地点調整したりしてごまかしていた。
ある朝ポタポタどころかではなく、水が紐のように細くなって流れるまま、締めても締めても止まらなくなった。
市役所の水道局のホームページにパッキン取り替えの手順が詳しく載せてあって、少し自分でやる気になったが、水道口に合うレンチが家にはなかった。
以前にトイレ修理に来てもらった事のある業者に来てもらうことにした。
1日半待ち。
絶えず水音がするのは、ややストレス。
パッキンは中で割れていた。
出張費3000円 作業費2000円 消費税400円 で計5400円。
些細な作業とは言え、大人一人時間割いて出向く特殊作業とおもえば妥当だろうし、
企業努力が足りている価格なのかと思えば、高いかもしれないし、
でも水道工事の世間一般の悪い風評を考えれば、過去に来てもらった事のある業者を呼んでリスクを避けるのが安全策だろうしと、
そんなで、まあ納得して支払いは済ませました。
ガチガチとネジを締めるような感触から、回しても突当りの無い、ゴムの柔らかく締まる感触になったのには、素直な驚きがありました。
取り付けのレンチの締め具合は、あまり固く締めると蛇口が固くなってしまうとか、対になる細いリング状のパッキンは取手付近が石灰が固着しているせいもあり替えられなかった、とのこと。
日の名残り カズオ イシグロ 、読了
文学らしい長編は久しぶりだから最後まで読み通せるかなとか、やや危惧していたが全くの杞憂だった。
1週間ほどの、実に愉しい読書でした。
古く著名な貴族の館で、長年にわたって執事を勤め上げてきた初老の紳士。
ふとしたことから長いドライブに出掛ける。
今はアメリカ人の手に渡った館の現状。
ジョークを生真面目に考察する姿勢。
長く波乱もありの執事生活の回想。
執事のパーソナルな話かと読み始めたのだが、イギリスの近代歴史にもザラリと触れるような奥深さもあって興味が尽きない。
翻訳の日本語はとても熟れている。
日本人が普通に日本語で書いた小説、そう言われても納得できそうなくらい。
英国の豊かな自然、館にかつてあった英国の偉大なるもの、それらを支えて来た数々の執事たち
メイド達。
パラパラと歴史的に有名な人物も、館を訪れたりする。
この小説はグレートブリテンに結実したモノノアワレ、なのかもしれない。
形骸化しても歴史ともに輝く栄光と品格。
全うした人生の一方で、欠けて失われる何か。
それでも作者の眼差しは暖かく優しい、あたかも夕陽がおちるのを見守っているように。
派手さもあざとい展開も無いが、読み終えて深い確かなものが伝わる傑作。
とてもよかったです。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/05/01
- メディア: 文庫
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