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丕緒の鳥 十二国記 (小野不由美 新潮文庫)

大分前に本は手に入れていたのだけれど、ちょっとあの特異な世界観に入りづらい気がして積ん読状態だった。
今回続編にして最終長編が年内に刊行と聞き、引っ張り出して読んでみた。

 

瘍医 閽人 供案 花垂門 囲墻 蔽獄 阿閣 甍宇 ・・・ 独特の漢字使い、現代では使われない古語をちりばめて、この漢字のアクセントの付いたオードソックスな小説文が、改めて読むと新鮮。
近年ではしゃべり言葉文・口語体や饒舌文が世間には満ち溢れているせいか。

 

表題作品の丕緒の鳥 は、散文詩のようなまさしく見せ場があるのだが、良くもこういう世界が描けるものだと今更ながら作者の才能には感心した。
画くのに難しいというか、この文章でなければ書けない世界が構築されているのは流石です。

 

新刊に向けて十二国記を一から読み直すの面白そうだけどちょっとハードルが高いかと躊躇していたが、魅力的な世界が再び立ち上がって来るのを読んで実感すると、また全部読み直してみるかという気分も湧いてきた。
やはりの名作群ですね。

 

丕緒の鳥 (ひしょのとり)  十二国記 5 (新潮文庫)