映画、ダンケルク。観戦
100分余りの時間は短かった。
戦争映画と言うより、意外にも戦争の空気を描く映画?
そして空気はぶるぶると、ヒリヒリと震えていた。
冒頭の海岸場面、何も起こらないのに空気の不穏なこと。
空気が震える前の重く張り詰めたと言うか、敗軍の描写、これがダイナミックでストイック?
もちろんバトルは有るのだが、いつおこるかわからない緊張感。
ダンケルク、この映画の大枠、視点は3つ。
海岸での1週間、
救助船ボートの一日、
戦闘機の1時間。
このミックスと、シンクロと追尾が絶妙。
救助に向かった船で起こった事故は、平時のモラルと戦時の行動規範の違いについて深い示唆を与える。
そして故に、生と死が複雑に交差している戦時の行動を、単純に部分一部を取り上げて、平和時の基準で裁いてならないと理解る。
老船長の抑えた、それでいて筋の通った演技がみごとでした。
戦闘機の場面も良かったです。
計器が壊れたから、友軍機の燃料残をチョークでメモるって臨場感あり過ぎ。
広い画面に小さな飛行機と、その軌跡のライン。
これが良いんですね。
緊迫した空気を創り上げる音響の凄さ。
戦争映画がかつてのような勧善懲悪のエンターテイメントから外れて、言っては悪いがそのもののエンタ性にフォーカスしているのは感慨があった。
おもしろかったです。
第二次世界大戦ブックス パリ陥落?ダンケルクへの敗走 (1971年)
- 作者: ジョン・ウィリアムズ,宇都宮直賢
- 出版社/メーカー: サンケイ新聞社出版局
- 発売日: 1971
- メディア: ?
- この商品を含むブログを見る