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精霊の守り人 第1回 「女用心棒バルサ」 良い出来、と?

自然環境やヨゴ国市街のCG演出は見事なもの。

CGでありながら自然の静けさ、市街の人と店が溢れる雑踏、守り人の世界を一気に具現化して、原作読者も頷かせるものではなかろうか。

 

綾瀬はるかのactionも良く出来ていた。

本人の体術というより、躍動感のある型を演じ、カメラアングルと演出とコマ繋ぎで十分見れるものに仕上がっている。

 

最後の武闘シーンもそう。

4.5人を相手にした単槍使いバルサ、その強さを納得させる演技。

大陸の武闘に有りがちな、武技の攻防を派手にする余りに、回り過ぎ踊り過ぎに陥る手前で留めている。

もちろんフィルム早送りやCGやカット編集の緻密な周到さがあったうえだろうが、文句ない出来。

 

綾瀬はるかは冒頭あたり、どす黒い顔色で新島八重もこのくらいの方がリアルだったろうにとも思ったりし、中盤以降は普通っぽい顔色に戻しているけど、彼女は芸達者でも演技派でもないけど、余計な自我がなくイノセントに役に入り込める才能は、多くの人に見ていて好感を与える。

 

しかし、宮廷描写は酷い。

宮廷周辺の美術は、狭そうで安っぽい。

これを見ると、アニメでの宮廷関係美術、大陸に発展した日本文化、と言う風な架空の広大で清浄とした美術がいかに秀逸だったたが良く判る。

 

このドラマでの帝など、なんだろうかあれは、邪教の教祖みたい。

原作やアニメでも描くところの、孤高にして深沈とした風格、止む無くチャグムを切り捨てざる負えなかった帝の状況を、全く無視した脚本。

テレビドラマだからといって、何でもキャラにメリハリを付ければいいものではない。

妃と星読みとに男女関係を持ってきたのも無駄な改悪。

高貴な母親が子供を逃がすのに、余計な段階は要らない。

 

脚本家の大森寿美男は、こういった方面に悪意があるのかも思えるほど。

物語世界観の理解力に乏しく、脚本家自らの浅墓なモノの観方が露呈しているかのよう。

 

とはいうものの、全体としては面白かった。

宮廷描写を半分カットするだけでも、極上の作品になっていたのではなかろうか。

次回もバルサの活躍を楽しみにしてます。

 #moribito

 

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