夏期限定トロピカルパフェ事件 創元推理文庫 [Kindle版] 米澤 穂信 (著)
春期限定いちごタルト事件、に続く小市民シリーズ2作目。
主人公達、小鳩くんと小佐内さんは小市民たるべく世に波風を立たせないように、世間と係わり合いにならないように生活しているのだが、事件とか出来事に関わってしまう。
このシリーズ読み始めて、やはり氷菓＜古典部＞シリーズより劣るかと思いつつも、2作目の此処まで来て、イヤなかなか氷菓より優るとも劣らない、冊の厚さやフワフワ感満載の題名とは全く別に中身は厚みがある、そんな小説です。
パフェとかスイーツとか、この展開どうだろうかとか思うところも遠回しの伏線になっていたりするのだから、この作者は油断ならない。
話の二次元的展開では、伏線を伏線にするという器用なことまでやってのける。
２作目になって、ややアクションの風味も出したりするが、そのダイナミックな展開すらも含んだものがあったりします。
ヒロイン？小佐内さんの陰影というか奥深さは、ちょっと私にグッとくるところがあって、またね、古典本格推理ではないのだけど、大団円じみた謎解きとかキャラの不気味な笑みとかは、ホントにいいものでした。
これは連作長編なので、必ず２作目の夏期限定トロピカルパフェ事件までは読んで欲しい。
で、その次の秋期限定栗きんとん事件、これも読んだけど、ああいいなと、ほんとにイイ意味で期待を裏切る展開で、皆さん氷菓とか良かったのなら、もうこのシリーズも読んでほしいなと、そう思うばかりです。
で、で、多分四季甘味四部作なのだろうけど、まだ冬季限定スイーツ事件は出版されてません。
最近作者も忙しそうで、昔のシリーズ出版が遅れてしまいそうで、残念 。
