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ψの悲劇 The Tragedy of ψ、森 博嗣

『 遺書ともとれる手紙を残し、八田洋久博士が失踪した。大学教授だった彼は、引退後も自宅で研究を続けていた。失踪から一年、博士と縁のある者たちが八田家へ集い、島田文子と名乗る女性が、書斎にあったコンピュータから「ψの悲劇」と題された奇妙な小説を発見する。

そしてその夜、死が屋敷を訪れた。失われた輪を繋ぐ、Gシリーズ後期三部作、第二幕 』

 

森博嗣の他シリーズへの橋渡しになるような巻。

島田嬢もかかる役割を果たすか。

興味深く最後まで楽しめたのだが、前作 χの悲劇 のことが気になったという変なかんじもあった。

 

前作はちょっとインパクトのある事で世評も高かった?が、

ただ、前作 χの悲劇 の図らずとしてか、島田嬢の孤独な生きざまの卓越さ・奔放さ・残酷さを描いた前作の人間の描きっぷりに、これに私は特に惹かれていた。

 

人間の軌跡を描く、などとは著者の特に期する所ではないだろうが、

本作を読んで前作について改めて思った次第。

 

ψの悲劇 The Tragedy of ψ (講談社ノベルス)

ψの悲劇 The Tragedy of ψ (講談社ノベルス)

 
χの悲劇 (講談社ノベルス)

χの悲劇 (講談社ノベルス)