夜明け告げるルーのうた。 監督・湯浅政明
大阪なんば、シネマート心斎橋、こんなところ--- アメリカ村ビッグステップの4階に映画館あるって知らなかった。
そこそこ小箱だが十分な広さ。
建物自体がそこそこ新しいので、昭和の映画館のような狭い椅子に苦しむことはない。
京都の伊根にモデルを取った豊かな地方色、それが監督特有の奔放でダイナミックな想像力と合わさって、水中の広がりを立体的な空間のボリュウムを取り込んだ。
99パーセントの傑作。
中頃くらいまでのローカルな叙情とファンタジーの交差は鮮やかな印象を残す。
もし、脚本をギリギリにまで絞り込む時間と余裕があれば、作品としてポニョを越えることもあり得た?
終盤はアニメパワーを振り回して見応えはあったのだが、やや抑えが効かなかった混沌と言うか良し悪しもあった。
善悪なのか事件なのか、敵キャラ的な運びもやや粗い筋はこび。
混沌で振り回してみせる監督の至藝は認めるにしても。
でも、最初から最後までずっと愉しめる映画でした。
あと1週間くらいはシネマート心斎橋で上映しているよう。
一割入りくらいのガラガラでしたので、夏休み混雑避けにもオススメ。