羊と鋼の森、コンビニ人間
羊と鋼の森 2015/9/11 宮下 奈都
・2016年 本屋大賞
『 ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。 』
情緒的に過ぎるかと、最初は思わせた文章も、音楽と自然の広がり、北海道の森を比喩にしてクリアな形をとる『音』の表現には適切だった。
『音』とバランスを追い求める少年に、調律師、ピアノを取り巻く人々、音楽、旋律、森の記憶が立ち現れて去ってゆき、また出会う。
みずみずしい美しさを最後まで失わない音楽小説、記憶に残る佳作。
読書中、充実した愉しい時間を過ごせました。
芥川賞のラノベ化か?と思いつつ驚きながら読んでいたら、まあだいたいそんな感じではあった。
コンビニ風俗を軽く流し長ながら、BGMのようにするする流しながら、本筋もそこそこありで気楽に読めます。
筒井康隆が書いたらもっと面白くなった?
小説というより『文学賞』という社会事象のあり方について興味深かった。
こういう小説が、文芸誌や小説新潮の一編で掲載されても何ら不思議ではないが、芥川賞となると、へ~そーなのーと目をパチパチさせてしまう。
最後まで読み通せたから、商業作品としてのバリュウは勿論あると、そうおもいます。