ふしぎの国のバード 3巻 ・短評
新政府によって生活が悪くなったとか、官軍による強奪暴行強姦が大きく絵柄で描いてる。
薩摩長州が勝ち取った敵陣周辺を『分捕り』していたのは事実だし、官軍は綱紀を厳しく取り締まっていたが逸脱もあったろう。
英国人記録では、長州の傷病者が官軍の地位をかさにきて、住民から金銭を巻上げようとして軍規に触れ、処刑されて首が晒されていた、ともあった。
一方で会津側の厳しい圧政で農民らの離反を招いた記録もあり、戦時下での会津武士らの民衆への無体な振舞もあった。
直接当時の記録としては、中立的な英人医師ウィリスの記録など全体の的を得ているように思う。
私の読んだ記憶の限りでは、特にバードに反日本政府感想が強かったような覚えもなかったので、?な絵柄でした。
バードの新潟への川下りの段、これなど原作箇所とコミックを比べると、探検家個人が文章で表現する情報と、連載コミックで表現しやすい内容との差異と乖離を考えることができて興味深い。