君の名は。 TOHOシネマズなんば、にて
月1日が安くなる日と気づかずに行って、人の多さにビックリ。
君名も九割方の入りでした。
新海誠の過度に詳細な美意識に淫することなく、物語性に力強くシフトしていたことに驚き。
音楽ビデオと言われれば確かに、サビでそんな感じだからその通りだが、ベタでくどくなる処を上手く音楽で流しているのも事実。
話の流れや展開に破綻がないのも、これだけ曲芸のように奇抜で尚ベタでもあるストーリーであることを考えると又々の驚き。
ところで『ずれ』のトリック?があったが、あれは絶園のテンペストから影響受けたのだろうか?もっとも私は知らないけれども、更に原型となる物語があるのかもしれんが。
言葉の比喩の力強さ、言うまでもない絵の絢爛ぶり、そして敢えて物語にシフトし切ってしまうのではなく、新海誠のお馴染みの擦れ違いの叙情に戻って来るところは評価が別れるかもしれないが、私はいいじゃないかと評価したい。
まだまだ新海誠は一部受けのマイナーな作家だった。彼は今回ここで、得意ボールを満を持して投げたのだ。
周到に時間をかけた脚本は二時間弱を飽きさせないし、実写とは異なる美しい自然や都会は、ほれぼれと堪能するほどの出来です。
大ヒットを祝いたいデス。
『星を追う子ども』だったでしょうか、シュナの旅の出来損ないのような映画から、よくここまで持ち直して自らを止揚してみせたものです。