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ベルセルク、コミックとアニメ

アニメ化を期に原作コミックを半ばほど読み返した。

 

昔読んたときには、話の筋を追うのがもどかしくて流し読みのような感じだったので、今回じっくり読み直して納得するところが多々あった。

アニメ化に対して文句が多いのも、これだけの原作なら思い入れある人は多いし、確かに原作の逐次解説的なアニメ化でないし、メリハリとアニメ文法の違いもあり、苦情はどーしても已む無しかなとか。

 

でもその一方、フツーのファンにしてみると、というか改めて見返すと再発見は多い。

アニメ最初でエロヒステリーで素敵だけに見えたファルネーゼは、17巻以降の人間性へのシフト、伝奇バイオレンスからトータルファンタジー&アクションへの転換への大きなキャラ役割を果たしているし、このあとの魔法少女投入も含めて、大きなヒューマンドラマに転換していく先駆けでもあったのだ。

 

実際、物語は前期とは変わり、後半からは人間のドラマにシフトし、それは無理にガッツのキャラを弄るのではなく、魔女狩りの炎に魅せられた貴族の少女、現実に投げ出された孤独な魔法少女を通して、ガッツはふと頷いたり道端で目を閉じて待っているだけなのに、キャラの成長と広がり、新キャラの活躍から世界観が豊かに広がっていく。

 

かつてSF作家の平井和正が作風を改めたきに、読者の苦情に対して「私は人間の獣性の代弁者だったことはない」と反発したが、ベルセブルグに対しても前期以降の作風の変化についてホノボノ路線に変更したとか批判もあるようだが、そんなものではあるまい。

 

コミックは蝕まで広げた大風呂敷を見事に畳んで収めつつあるし、異界魔界とのスケール尺の違いも克服しつつある。

 

こんかい再度読み返して、いままでバラバラ途切れ途切れに読んでいてサイドキャラの再登場とか経過を見過ごしていたのが今回一つにつながって感慨があった。

 

馬乗り少女が旅の連れになり最近では船旅で師を見つけたのか、とか、鷹のオデコテレパスが魔女子供と楽しくお話ししたりしている、とか。

ガッツでも鷹でもなく、売春婦ルカ達が出たり消えたりするのも興味深い。

 

まあ、原作に感心すればするほどアニメには?が多くなるが、それはそれこれはこれとして楽しみましょう。

  

ベルセルク 38 (ヤングアニマルコミックス)

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