高台家の人々、映画みて振り返って
映画・高台家の人々、配役は皆それなりにハマっている。
綾瀬はるかが美人すぎるとか、王子様役が硬質でやや沈痛なところとか映画で出来るのかとか、映像化を危惧していたが、好く配役をこなした。
テンポよく前半はコミックに実写の命を吹き込んでいたが、しかし終わりに近づくにつれ映画リアルベースの解釈とコミック世界が乖離し始めて、ありふれたテレビドラマに堕ちてしまった。
監督と脚本のセンスが、原作のセンスに追い付かないのだ。
映像化で面白くしようとしたり高尚にしたくて、したくても出来なくて前半の楽しさを台無しにしてしまった。
今回映画を観たのは、たまたま原作コミックを読んだら、そのセンスの良さに感じ入ったから。
妄想少女とテレパスとのラブコメなのだが、人に対する理解の自然さが並みのコミックに比べて群を抜いている。
だから奇抜な設定でも違和感を感じさせない。
そこから生まれるドラマは面白くて、優しくて暖かい。
「変な服」とか「俺は誰と結婚するんだ」と妄想への冷静なツッコミも絶妙。
原作者・森本梢子はコミック『ごくせん』で有名で、ヤクザ組長の娘が学校の先生になるというあれ、でも森本梢子この作者は全く読んだことがなくて、ごくせんのヒットもショムニみたいに、たまたま映像化がヒットしただけの、そんなもんだろうと勝手に思い込んでいたが大間違いだった。
同作者のアシガールも、可愛いくて、たくましくて、お馬鹿で笑えます。
時代劇人物と現在、という命題?について、最近アニメのクロムクロでちょっと失望していたのですが、アシガールのヒーロー役殿様の自然さには感嘆しました。
コミック高台家の人々、については大絶賛お勧めです、というか、読んでいないならこれから読めるのが羨ましいくらい。