車内、カワイイおんなのこ
中途半端な時間に大阪に出ることになった。
午後の半ば、快速電車に乗って大阪へ向かう。
私はドア近くの端の座席に座っていた。
途中の駅で女の子が一人で入ってきて、向かい側ドアを背にもたれた。
雑誌グラビアに載っているよな、玩具のような服を着た小学生。
そんな服を説明する語彙と知識を持たないので、上手く言えないけど可愛い女の子。
太い横ポーターのロングソックス、短いホットパンツ、ふわりとした髪型、全体に鮮やか過ぎる色彩だけど、凹凸も無い子供だからイノセントに可愛く収まっている。
向かい側ドアを背に、立ったままスマートフォンをずっと弄ってる。
また駅で止まったとき、乗客がぞろぞろ降りて行ったが乗込む人は少なかった。
私の隣の席が空いた、とおもったら女の子が歩いてきて隣に腰を降ろした。
少しおどろいた。
私も今まで通りタブレットを触っていた。
しばらくして、隣の小学生が香水を使っていることに気付いた。
芸能事務所にでも所属してるのか、とか考えた。
大人の使う香水ではない。
安っぽい香水という言葉が浮かんだが、間違いでは無いものの、正確な表現とは言えない、ちょっと違う。
難波に着いた。
私も彼女も降りた。
しばらく同方向に歩いていたが、そのうち歩く方向は分れた。
そのあと、一人で歩いているうちにふと気づいた。
あれは、お菓子の香りだ。