テキスト公開動向、雑感
青空文庫の活動については尊敬すべきものだと思っている。
今年になって谷崎乱歩というビッグメームが没後50年で著作freeになったので、興味深く動向を見守っていたのだが、意外にも乱歩谷崎テキストのアップは遅い。
現在、それぞれ1.2作ほどのみ。
吉川英治の時はもっと速かったように思う。
膨大な長編が次々とアップされていた。
こういうのは運営者側の好みの問題だろうか。
もっとも、どしどしアップされても読むのとは又別なのだが。
青空文庫は左翼的傾向の著作アップがやや多いが、左翼的に乱歩谷崎は許せないのだろうか?
数作読み返して、乱歩の面白さ。
少年当時読んで判らなかった皮肉なところとか、時代的空気の魅力が今読むとわかる。
また、この人は本当に頭オカシイとも(褒め言葉)、良く判る。
ごく一部で乱歩のグロ的な作品群の再評価の機運もあるが、闇蠢くとか盲獣とか、できれば読み返してみたい。
動向につられてupテキスト以外でも谷崎読んでみたが、推理小説の先駆けと言われた『途上』など、これはやや期待外れ。
偶然性・可能性の殺人というテーマだが、此の手のものは乱歩作品にもあって、その方が上手かった。
乱歩は海中飛込みミスや列車事故誘導とかがあるが、昔と違って今日的な情報証拠収集の厳しさと法的な詳細適用があると、未必の故意とかで有罪とされるだろうなとか思ったりする。
谷崎短編の数作読んで、若い女性への判り易いねっとりとした描写など読んでると、なるほど谷崎か、と勝手に納得したり。
青空遅いけど曇天文庫というサイトでは、作者を極少数に絞ってドカンとアップしている。http://blogs.yahoo.co.jp/a_bucha_bucha
他のテキスト等アップサイトが上げてしまう事は青空にとって残念な気もする。
まあ、これはこれでよいか。
でも、それがトレンドになってしまうと、もうトレントになっているのかもしれんが、どうなんでしょうね。
著作権が50から70年への移行は国家的損失。
なんらかの国内での是正措置が出来んのだろか。