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GATE ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり   柳内 たくみ

アニメから小説に入りました。

小説全体5%ほど熟れていない感じがするが面白い。

余計な力がぬけている。

 

武器のことをよく知っているので、銃や火器による活劇でも話が浮つかない。

銃器については大藪春彦の描写くらいに安心感がある。

圧巻はワルキューレ辺りだが、作者は自分の描きたいものをキチンとわかっているようだ。

描くのに躊躇いがない。

作者のあるコメントに『あまり他人には言えないような単純な動機』という言葉があったが、それに通じているのかもしれない。

 

テレビアニメ 「GATE」 と奇跡のコラボ

http://www.mod.go.jp/pco/tokyo/tokusetu/tokusetu.html

 自衛官になりたいという気持ちの奥にあるかも知れない、あまり他人には言えないような単純な動機(例えば格好良さそうとか、面白そうとか、生活が安定してそう……)こそ誤魔化さずに大切にして下さい。

 

2巻、炎竜編ではキャラのパーソナルストーリーも絡んでくるが、これが結構しっかりしていて、取ってつけたような話でなく十分面白い。

終盤に向かっては展開がやや凝りすぎか重ねすぎかと思わないでもないが各方面の見せ場を存分にとった抜目のないストーリー。

ここでも武器の在り様を熟知している面白さが十分でています。

 

3巻では亡命騒動もあるが軽い読み物と言えども、その扱いの難しさが実に差し迫って理解できる。

 

自衛隊出身の方々においては、狭い社会と厳しいが単調な訓練の繰返しで、実社会で働いたら漢字もろくに書けないのかと呆れられてる人もいたりするが、一方で北の国からスクランブル・中国戦艦潜水艦の追尾等々、直接目前で肌身で敵対する厳しい状況に身を置いているので、リアル考察の深さが馬鹿な新聞記者やコメンテーターとは根本的に違う。

 

普通の読み物として、よくぞ普通に書いてくれたものだと感心というか感慨があった。

 異様に手枷足枷を付けられてきた現実の自衛隊のこれまで歴史を一端といえども知っているから故である。

 

 

外伝は一応読んでみたが、話が自衛隊ではなく特地王族貴族や社会の内紛の方に行って、その大半私には読むのが苦痛だった。

私は自衛隊絡みの興味でgateシリーズを読んだので、そうでなくてFantasyをfantasyとして好きな人には、外伝も問題なく読めるとおもう。

 

アニメ2期も楽しみにしてます。

 

ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編〈上〉 (アルファポリス文庫)

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