犬はどこだ 米澤穂信
米澤穂信はやはり面白い。
この作品も、氷菓や満願の作者だけはあるという水準。
犬探し専門の調査社をするつもりが成り行きで失踪女性探しと古文書始末を依頼されてしまう。
主人公はこの作者らしい、やや癖があるが日常性の配慮もありつつ、街での挫折をゆるゆると立直りながら、ネットも使いつつ仕事に向かう。
中途過ぎてから特に思うのは、作者のミスリードの上手さ巧妙さ。
先が見えそうで見えない。
謎解きで場面風景の意味が一転してしまう処なんてのもある。
迫力ありです。
ほんのすこしだけど、犬とのバトルシーンもあります。
会話もしっかりしてるし心理の推移に飛躍もない。
作者らしい日常系ミステリー。
小説ジャンル傾向としては氷菓と満願の中間くらいの立ち位置か。
とても堪能しました。