oidon00のブログ

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四月は君の嘘 #22 春風。

結局ヒロインとの協演は、#04 「旅立ち」の一度きりだった。

 

アニメが始まった当初、このアニメは二人で音楽界を突き進んでいくのかと思っていたが、それは違って、抜きんでた才能を持つ少年とその才能に引き寄せられていく者達の、孤独な物語だった。

 

最終回、AパートとBパートの間にある時間の断絶は仰け反ってしまう程のものだけど、舞台で一人演奏と別離を完成させてしまった後には、もう万雷の拍手も愁嘆場も必要なくて、その後Bパートで続けたのは、やはりモノローグであったのが此の物語らしい。

その独白は意外でもあり小さな謎解きのようでもあって、ヒロインに死の影を帯び始めた時から、物語が遡って違う姿を見せ始めたように、彼女の独白は物語全体を自然な姿に還して、今までの不自然な言動や行動の謎を解き明かした。

 

此のアニメ、モノローグがウザいとかポエムじゃねえかとか思うところもあったけど、最終回の演奏では言葉は少なく、アニメならではの過剰な映像演出も完全に全うされ、そして最後の独白と回想は、今までのカット使い廻しも多いのに、見事なまでに心に響いた。

 

1話から過剰な言葉に溢れていたのに、観終わった感想は哀切でも、とても澄み切った透明なものだった。

公生と”かをり”に、私も有難うとさよならと言いたい。

 

 

また、公生の芸術家としての個性は他人が立ち入ることができないものだし、唯一それが出来たのが、死を抱えた”かをり”だけだったのだろう。

だから幼馴染と言えども、椿は公生の心の奥に触れることはできない。

例え肉体的に戸籍的結ばれても心の奥に触れることはできない、そんなこともおもった。