日本映画、舟を編む。
bsで放送されたものを視聴。
辞書作り、よくこういった地道で分厚い世界を映画化できたものだと感心。
華やかな芸能界・映画界とは正反対の世界。
ちゃんと小説になっているが垣間見える作業の膨大さ、時間の長さは隠しよ
うもない。
フルデータベース化寸前あたりの膨大な用語メモの束。
気の遠くなるような校正の数々。
チェック。クロスチェック。再チェック。
些細なミスの発見からのやり直し。
辞書のページの吸い付くような手触り。
古い下宿を占有して古書で埋めている主人公。
本の匂い。並んだ書物の質感。本棚に囲まれた圧迫感。
昭和の木造家屋の佇まい。
のそのそ歩く猫。
そんな世界は、実は私の天職は辞書造りだったのではないか、職を間違えて
しまったと勘違いさせてしまうほど魅力的。
老優加藤剛も監修役教授でピタッと収まる。
オダギリジョーはじめ著名な俳優たちも癖を押さえた演技。
派手に飛ばさない、淡々とした静かだけども大きな山を乗り越えていくよう
なドラマ。
良かったです。