森薫 「シャーリー2」
夜10時頃に思い立ってkindle購入したのだが、正解。
心穏やかに眠ることができた。
乙嫁のような稠密描写こそないものの、まぎれもなく森薫。
軽やかなコメディタッチでも手抜きはない。
見どころはシャーリーの表情。
シャーリーは表情が乏しい13歳だけど、その乏しい表情の中で微妙だけれど多彩な表情を描き分ける森薫の手腕は見事なもの。
小さなコマわりの中で驚いているシャーリー。
不安な未来を思い浮かべて心の中で震えている(らしい)シャーリー。
などなど。
広いベッドシーツを持ち上げている場面など、シーツの丸まり具合など難しいのに、全く同位置の場面でも絵のコピーを使わずに、再度同じ絵を描き入れる著者の誠実さ。
著者のシャーリー愛を満喫できる幸せな一冊です。
心がささくれて、眉間にしわが寄り、唇が歪みかけている私達にお勧めの一冊です。
しかし、前作のシャーリーと絵が違うのには驚いてしまう。
森薫の覚醒前と覚醒後、といった感じ。
失礼だけど前作シャーリーを読まずに、飛ばして「シャーリー2」だけ読んでも問題ないと思う。
と言っても、読みたくなるとおもうけど。