kindle 無料書籍 2冊
お遍路小娘 [Kindle版] いとうあゆみ
比較的短期間に疾走するように四国を周回してしまった感もあるが、作者の空虚さと道を求めようとする希求は誠実なもので、もっと色々と書いてほしかったとゼイタクな読書感を感じたほど。
若い女性遍路を狙った、お遍路ナンパなんてのもあるらしく、この文脈で読んでしまうと人の業すら感じてしまう。
四国遍路に興味のある人も無い人も、作者の飛び込んだリアルな冒険行、歩き続けるという冒険である、には巻を置かずに読ませる疾走感があるとおもいます。
無料書籍であるなんて拾いものです。
ブラックジャックによろしく、作者の自伝的エッセイにして出版社とのやりとり関係。
出版社は、よほどの高名なベストセラー作家でない限り、一冊の本から作者印税よりも多くの報酬を得るようにできているから、活字書物の危機とか言われていても、勤めていて作家にコンテンツを書かせていてればサラリーマンとして高給が手に入る。
出版社の中堅に行く前でも1000万円以上の高給取り。
だから出版社の担当や編集などの社員達は、出版業界の根源的危機に対して内心では全く危機意識すら持っいない。
そんな中での、作者の偏屈ともいえるかもしれなくて、もっと器用にやって妥協してもいいのではとも思ってしまうが、誠実な格闘の軌跡を描いた好書。
無料書籍であるなんて儲けものです。