2014年版 間違いだらけの車クルマ選び 感想
車は日本経済の相変わらずの稼ぎ頭。
マクロの経済視点で語るより、個別の網羅した車評論を見ると、逆に経済が腑に落ちたりする。
日本経済について、ある種のボトムアップアプローチ、としてこんな本を読むのもありかと。
最近では車も売れなくなって このシリーズ新刊も本屋で山積みされることもないようだ。
ちょっと昔、バブル頃までは似たコンセプトの車紹介批評本も数冊出ていたのに、今は他の本は消えてしまって寂しい。
コンセプトではプリウスが独走を続けているが、車本体の評価ではゴルフがぶっちぎりの高評価というのも面白い。
良い車として誕生したのだけれど、モデルチェンジの度にユーザーの意見を取入れす過ぎた結果、コンセプトが呆けた車になったトヨタヴィッツ。
昔からある日本車の疾病、ユーザー意見を聞きすぎて車がダメになる、それが まだ脈々と生きているよう。
また、ベンツが近年スタイル重視路線を取入れたあまり、シェイプの効いた車高の低い見た目重視の車も作ってしまい、昔のホンダ車のように路面の衝撃を受けきれていないとか、トヨタがカリーナEDで見せたような袋小路に落ちているとか、 『従来のメルセデス・ベンツの哲学を脇に置いてまで若い層に媚びたCLA』 とかとか。
あのベンツでさえ、世界的な乗用車競争の前ではナリフリ構っていられなくなったようで、なんだか可笑しい。
全体としては、世界的競争の中で、なんとか日本車は独自の位置を保ち続けているよう。
逆に、ハイブリッド無しにフォルクスワーゲンが一部で先端を走っているのは、数年にわたるユーロ安が背景にあるにせよ、自動車の奥深さを考えさせられる。
経済とか金融とか為替とか実態のないメーターや記号ではなく、具体的な製造物の数々から浮かび上がる経済は、それなりの説得力を持つ。
そんな見方でこの本を読んでみました。
個人的には最近高知へ行って、乗っているのは何の変哲もない 1500CC トヨタセダンで、実用高性能エンジンという評判は知っていたが、普段使いではそれほど実感できなかったが、奈良から高知に走らせてみると、燃料メーターが減らないこと減らないこと。
高速走行時の燃費の良さには驚いてしまった。
帰りに徳島・小松島で2時間ほど市街をウロウロしたので、急速に燃費が市街走行で悪くなったのがメーターで実感できた事もあり、念のため三軒屋あたりで燃料を満タンにしたが、直接帰っていれば奈良高知の往復が十分可能な燃費具合だった。
そこでガソリンを入れなくても、奈良着で燃料メーターがラスト2か3だったと推測できたが。
そんなで、此の本やら実走やらで、それなりに日本車のポテンシャルを再確認した次第です