劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語
見終わって直ぐ、映画館の中がざわざわせずに、暫く沈黙に包まれていたのが、思い出すとこの映画らしい。
この微妙な感じ、違和感がこの映画だろうか。
途中までは、特大ヒットにしては・・・とか思いつつ、前半の総花的な皆全部見せます的な流れが、どうも好きになりきれなかったのだが、もちろんマミさんのムチムチした動きはじっくり見たいとか、気に入った点はあったのだが、面白いけど普通かなの印象だった。
前半で気に入ったのは、バイオリンと付合う友達の少女を救うのに、テーブルを囲んでケーキじゃないよとか数え歌の廻しあいの後に、少女の首だけがボンっと顕れて、生霊供養するの場面。
その無邪気な楽しさと首のグロテスク、この対比が中々よかった。
全部見終わってやっと気づくのだが、これは先の本編の裏返しの物語だと。
放送されたアニメとその劇場版では、物語は放下して拡散し光って消滅するのだが、ここでは執着して閉鎖し塗り潰してその色に沈殿する。
終盤の唇だけの笑みは、少女から女になったような、少女が性欲を覚えて自覚したような微笑で、とても素敵だった。
しかしその中に彼女の、地に足の着いた覚悟があるように感じ取れた。
ひどく感覚的なことだけど、そんな感じ。
取り方は人によって違うだろうけど、ほとんどの人が違和感を感じたことは事実だろう。それがアクセントになって、この映画を流布せしめたのは、やはり闇墜ちの魅力か。
印象に残るアニメでした。
続編は多分あるだろうけれども、続編が無い方が、物語の暗い輝きがつづくようで好きかもしれない。
鑑賞後は酒を3杯煽ったあと、〆にラーメン金久右衛門道頓堀で、なにわブラック。
濃厚なタレがこの頃好きなのだが、この店いつもスープの熱さが足りない、ぬるい。
美味なれど、ちと残念