AURA ~魔竜院光牙最後の闘い
中二病のパクリ元とされる作品だけあって、より良かったです。
リアルな所があって、その辺のリアル苦も描くのだけど、主人公の精神的痛みはできるだけ間接表現していたのはセンスを感じた。
ある夜、階上に不思議な少女と出会って彼は約束する。
しかし、登校拒否だった彼女が日の下に現れて、痛い少女全開で彼に会いに来ると、彼は引いてしまう。
しかし成り行きで彼は引きながらも、彼は彼女の面倒を見るのだったが、学校の教室という世界では序序に違う反応を生み始める。
痛いのだけど、表現の仕方が上手なので見てられないという程ではない
作品はリアル世界の痛痛ファンタジーなんだけど、その世界を越えてファンタジーな言葉が次第に現実にクロスした言葉になって、私達の心にも届いて来る。
多分原作小説はもっと良いのでは、と思わせるほど。
京アニの中二病はパクリというよりも、本作のパラレルワールドであり後日譚であり別バージョンであり、京アニなりのよく出来た感想文のようなアニメとして中二は中二、AURAはAURAとして個々に楽しめると思う。
・・・・なのだが、私の胸に留まった中身をうまく書けていない。やはり、リアルさの感触、現実との格闘なのだ。
佐藤良子は強い。現実に何があっても現実とは違う解釈ができるからだ。
同じく、佐藤良子は弱い。解釈だけでは耐えきれない現実に踏み込んだからだ。
この辺りのリアルなゆらぎが、彼女は表情も言葉も変らないのに伝わってくるのは、構成の巧みさもあるが脚本内容の良さだろう。
物語の中盤の夕暮れ、手を繋いでいた二人。良子が彼に一緒に死なないかと、直接そうは云わないけれども、そんな裏を込めた言葉を架ける。そして彼は言葉に詰まり、断るのではないけれども、そんな裏を込めた言葉を返して話を逸らして笑って、そして良子は繋いでいた手をゆっくり解いて、今日は調子がわるいようだとか云って背を向ける。
この重大で繊細な場面の会話やりとりを描ける原作者には感心してしまった。
何も感じなければ痛くはない、とは私にでも良く分かるが、でも無視した傷みと加害者を放置していることは、やはり自分にとって問題なのだ。そんな愚かさに自分をすこし重ねて感動したのであろうか。
本の感想
http://oidon00.hatenablog.com/entry/2013/10/31/211237