恒川 光太郎 ・スタープレイヤー よんで
掃いて捨てるほどある異世界転生の話しでも、才能がある人が書けばこうなるのかと感心させられた作品。
≪ 路上くじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされた斉藤夕月(34歳・無職)。
そこで10の願いが叶えられる
「スタープレイヤー」に選ばれ、使途を考えるうち、夕月は自らの暗い欲望や、
人の抱える祈りの深さや業を目の当たりにする。
折しも、マキオと名乗るスタープレイヤーの男が訪ねてきて・・・ ≫
ラノベ系なろう系のを多々読んだ訳でもなく同系統アニメを十分よく見た訳でもないのだが、これ読んでみてやはりちょっと違う、とは思った。
話は最初からサクサク進み、その手際も商業作家だけあるものなのだが、最初にゾロリと来たのが主人公の過去に関わるリアリズム系インパクト。
なるほど、れっきとした作家らしくこう来るかと。
それでこの小説はこう攻めて来るのかと思っていたら、それも有りつつ踏まえつつ、人の願いが回数限定で叶う世界の楽しさ難しさを描きながら、ファンシーが政治や政争にまで及ぼうとして、遂には結構に相当なファンタジーがドカンバカンと炸裂する。
現実の代わりにダラダラと異世界でじゃれたりボーケンしたりする話も、内容によってはずっと浸っていたいほど楽しくて心地良いものだが、お約束ごとだけでは無い自由に奔放でもリアルな小説世界、確固とした世界を鮮やかに描き切ったものを読まさされると、改めて小説自体の楽しみの深さを味わえたと、そんな風にも思いました。
とても面白かったです。
ガラスの仮面 強力なコンテンツを前にして.
ひと月前、ガラスの仮面がkindle化されたとの事だったので、少しの間は1巻から3巻は0円だったのでゼロ円購入。
はじめて読んだのは20年くらい前だったか、よく覚えていないが、その頃すこし通っていた小さな病院の待合室に巻が並べてあった。
20巻程度かも少し前か、そのくらいまで読み進めた。
病の不安をちょっと忘れ去れるくらいのオモシロサ、は記憶に残った。
少女マンガをふと手に取ったわけでは無い。
たぶん少女マンガをふと手に取ったりはしない、小説家の絶賛の文章が記憶にあったからだった。
当時、少し前に新潮社広告雑誌『波』に連載していた小林信彦の小説世界のロビンソン、体験的小説論と名打ってのエッセイ。
ここで小説でないのにもかかわらず、少女マンガのガラスの仮面が絶賛言及されていた。
その記憶が強くあったのだとおもう。
無料雑誌の『波』は、郵送料を送れば定期的に毎月家に送ってくれる。
私は数十年そうしている。
大きな本屋には置いてあるから、見てみて読んでみて検討するのも、そういうお取り寄せは文学好きには選択嗜好の一つだとおもう。
無料巻からやっぱり有料kindle購入にズバズバ進んで、当時読んだあのそのエッセイも読み返したくなって、これもアマゾンで購入。
いまは内容をわずかに改め、
『面白い小説を見つけるために』 小林 信彦 (著、 となっていた。
この本は、コアな文学から大衆小説、エンターテインメントにわたって広く深くプレーンな視点で面白さを見据えて評論していった文章で、それは当時としては珍しかったし、図らずも現在の平坦な文学状況、いや活字媒体よみもの状況を先取りした、もしくはもたらすのに一役買った優れたエッセイ。
ガラスの仮面については後半、小説ではないので一頁少し触れられているだけだが、まあそれでも此の本のバランスでは言えばpointをクッキリ示した印象。
絶賛と感嘆のなかに一言程度キビシイコトバがあったのを見つけたのは、これは再読のよろこび。
コミックをkindleで読み始めて、なんせ面白いから読み進み過ぎるのも具合悪い、12月はいろいろ面白そうな他の書物新刊もおおいし、楽しむには早いペースにしろ一定の日にち間隔が必要だろうと、ガラス仮面は1日1巻以上は購入しないと決めていて、そんな感じで読み進めていたのだが、奇跡の人舞台が始まった辺りではあえなくその基準も破れて読みふけり、今はテレビドラマ突入でちょっと現在は落ち着いているのだが、これからどう振り回してくれるのか楽しみにしている、そんなところです。
ライウイスキー
普通のバーボンでもライ麦は使っているが『ライ麦』比重に特化してつくっているもの、と理解している。
海外ドラマで見かけたウイスキーを飲んでみようかと、少し探していたのだが日本には正規輸入はされていない様でAmazon検索でも見当たらない。
先日ふとbarのマスターにこんな酒知ってる?と聞いたところ、見たことの無い酒ですがライウイスキーのようだしライウイスキーならこんなのが、と教えてくれたのが写真のリッテンハウス。
禁酒法あたりの時代の製法を守っていて、アルコール度数が50度。
はじめて飲むのでストレートがいいのだが、その時の気分として強いのがあれだったのでハイボールにしてもらった。
飲んで驚いた。
舌や口中のアタリがあまりない。
特別飲みやすくするために薄めて調整するようなbarではない。
ジャックダニエルのようなはっきりした甘さのような個性は無く、深々静々と口の奥に広がってた行くような、ちょっと意外な口当たりの良さ。
多分、ストレートで飲んでも比較的飲みやすいのだろう、ヒカクテキだが。
海外ドラマで飲まれていたのは Whistle Pig Rye Whiskey というウイスキー。
ブレイキングバットという海外ドラマで刑事役キャラが、異動になった上司を送るときに職場でグビグビと飲む酒だったので、そのカジュアルな感じから日本で言うと角瓶かだるまクラスの酒かなと思っていたが、1万円くらいのプレミアムなウイスキーであった。
いい酒を用意して一緒に飲んで送り出したかったんですね。
大きな酒屋に行ったら当然売っているものと思っていたら全く見当たりませんでした。
英字でグーグル検索かけるとメーカーのサイトが出てきます。
プレミアムな感じです。
世の中は贅沢志向でモルトにトレンドが振れていますが、そこから将来バーボンやライに振れることが、これから有るかもしれません。
そうしたらこんな酒も並行輸入されるかも?しれん。
バッキー井上 『いっとかなあかん店 京都』
情報収集のためだけでなく、食べログや飲食街の情報誌を読むのは、何かしら飲みに行ったり食べに行ったりした楽しげな空気や気分を感じたい、そんなのが有ると思う。
京都グルメのー冊のような佇まいの本だが、それはそれとして間違いないのだけれども、店舗の物理的数値や決まり文句の美味しい彼是以外の、自分と酒の今や過去を語る饒舌が溢れて、数々写真や頁見開きで臨場感ある魅力的なショットの幾多有るにも関わらず、文章は負けていない。
普通のエリアグルメ本とは一線を画した、人や街や店の姿を画いた本。
著者と店や街との立ち位置を例えて見るなら、山口瞳の行きつけの店に近いか、そんなかもか。
何も文章が似ている訳でも小説らしさとか山口瞳ばり人情味とかがこの本にある訳でもない。
あれほど密接でも濃密では無いし、あっさりしてフットワークも軽いが、人や飲む場所との距離感がちょっと似ているかなと、思ったりした次第。
確かに、お店紹介に自分語りは要らないし過去語りもなんじゃらほいだろうけど、ただその店に自分がいて何度も幾夜も訪れていて私の年月に徘徊経路の一つにもなっている様が刻まれているのだったら、私を語ることがその店を間接的に間接照明のように語っていてもおかしくはないし、事実そのとおりの一冊に仕上がっている。
お手軽な食べログレビューのグルメで、一回行って食べて見るだけの一回の経験値がいくら豊富であっても、それらとこの本を同列に扱うべきものではないだろう。
この本には著者の写真、顔や表情もよく写っている。
目力の強そうな、ちょっと圧力のある瞳だが、勝手な推測を云えばこれは彼が圧力キャラなんぞではなくて、酒を呑みすぎて呆然として目を見開いている状態これが余りに永く幾夜とも続いているので、酒場に行くと自動的もしくはもう普段からそんな顔に成ってしまったのだと、テキトーかつ無責任に推測をする。
本書のなり立ちについて思っていたのは、関西雑誌Meets Regional 連載のマトメと抽出かなと。
でも、そうではなくて全国グルメ誌dancyu のマトメ。
dancyu に連載されていたとは知らなかった。
でも同じ店のことを書けば同じことばが紡ぎ出されるのは自然の生業。
馴染みがあってリズムのある文章は、紙面のあちらこちらとか雑誌単行本の違いになど左右されない。
dancyu編集のライターを選ぶ目は確かなようだ。
化物・わたもて・鉄鼠、コミック3点.
西尾維新の化物語というのは新しい古典になったんだと、つくづく思わされた。
アニメ化によって大きく開花して、サブカル世代の常識めいた如くの周知徹底が、アニメと原作小説の二つを原作として、大暮維人は新たに深く異なった陰影を見せてコミカライズして見せた。
大暮維人は良い原作に巡り合えたものだ、もしくは、大暮オリジナルを捨てて果敢にも二番煎じ三番煎じの汚名や罵詈雑言が降り掛かるリスクを取って、その中に己の世界を完成させて見せたものだと、感服しました。
3巻では八九寺真宵の哀愁ある表情がとても印象的、いろんな顔を描けてこその本物の画力というものです。
この分だったら化物語は新しき古典として、歌舞伎化や実写化や本コミックのアニメ化なんかも当然ありそうな気がしたりしてきました。
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(13) 谷川ニコ.
ネットでポコポコ評判になっていたので、途中から作風が変わっていったとの事だったのでシリーズ半ばから読み始めたのだが、結局あとで最初の巻もよんでしまった。
アニメ化もされていたが内容的に自虐が過ぎてるみたいな印象だったし、あの絵だしその頃は読む気にも見る気にもなれなかった。
今回読み切って、巻はじめごろの自虐あるあるかもを頁一杯に叩きつけるような画風ではなく、シリーズ途中から4コマ漫画にも似た着実なテンポと画風に変わって来る。
勝手な推測だけど、アニメ化で予想外に人気が出てしまったので、ホントは数巻で終らせるはずだったのが、この主人公をどう生かしていけば好いのだろうかと、著者は結構悩み考えた挙句のロングスパンの群像劇・サブキャラ設定になったのではないか。
修学旅行編が旅行ドタバタで終るイベントではなくて新キャラ紹介のプロローグでもあったことは巻を見返して観ると良く判る。
実際、加藤さん初登場も新幹線隣席だった。
群像劇の描き方もうまい、修学旅行で同室になった無口不愛想な田村さんが友達からのラインを無視していたら部屋にやってきてアレコレ。
何があったのか描かないそれだけだけど、後々になって友人女子が田村さんを裏切って云々というモノローグを入れて、そこは飛んでもないシーンなのだが、背景で陰の様にして描くことなく話をバックに仕込んでいるのは中々巧妙です。
この手のものが結構あってストーリーに不思議に豊かな膨らみを見せます。
ネットで月2回程の連載ですが、なかなか脂がのっているような面白さがトテモ乗っいるコミックです。
( 描いてないとおもってたが、田村さんの件は8巻69の階段場面で『南さん達に誘われて』『断ってきてよ』とさり気無く描かれてました )
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(13) (ガンガンコミックスONLINE)
- 作者: 谷川ニコ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2018/07/21
- メディア: コミック
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好きなシリーズなのだが、やはりこの鉄鼠檻は難しいかと思っていたが、最終巻になって見事に雪崩落してマトメてくれました。
原作小説の饒舌な衒学、教養の奔放な遊戯、それが会話や演説や謎解きに言葉コトバとしてたっぷりあるのだが、コミックでは言葉を大胆に削りに削って、空間と間合いで物語世界を見せたのだか凄いもの。
原作ファンとして楽しめました。
1518! イチゴーイチハチ! (6) 相田 裕、 トリプルグレーン.
1518! イチゴーイチハチ! (6) 相田 裕
あいかわず等身大の高校生たちの姿。
ベタに萌えているわけでも尖っているわけでもないが、進行形の愉しさが毎巻あります。
『15才から18才の新しい自分になる冒険の物語』
とフレーズはやや尖っているかも?
しかしテコ入れだろうか、
・・・留学生、金髪リボン、エミリー・BF・アリスの姿にコーシーローが見惚れたり、
・・・眼付きの鋭い活動家風の男女二人が高校に侵入して、ガソリンの入った瓶を持って生徒会室にいる幸コーシロー2人に、背後から密かに迫ったり・・・・
そんなのがありそーでもあってそんな話の捌きも面白い。
今回はサブキャラが一人と言わず、2・.3・4・5人と皆々描いてくれてたのが印象的で、1518の世界が広がり深まって来たようです。
ナナカツが今回の最有力サブとして、とても魅力的でした。
次巻も楽しみです。
ジョニーウォーカー トリプルグレーン
ジョニーウォーカーが最近出した新作ウイスキ3種のうちの一つ。
トリプルグレーンとインパクト有りそうな名前だが、癖のないスッキリとした味。
勝手にサントリの知多みたいな位置づけのウイスキかなと思っていたけど全く違いますね、オーソドックスな美味しさ。
ただ、明確な個性を持つジョニ赤やジョニ黒に比べると、あえて再びこちらを選び続ける理由は無いようにもおもいました。
ジョニ赤はあれで安いしね。
ブロックテック・ダウンベスト
おなじみユニクロの売れ筋製品。
ブロックテックパーカ.
何でも上に引っかけることのできる黒いパーカがほしかったので、今までもユニクロのパーカ使っていて、でも安っぽくて古くなって苦旅びれてきていた。
アウトドアウェアの高機能で良いもの探していたのだけど、ちょっとゴツすぎたり身体にフィットし過ぎていたりと、中々好いのが見つからない。
そこでまた結局またユニクロで選んでしまった訳ですが、高機能ぶりとカジュアルぶりの折衷がやはりTOPメーカーにしてセラ―、高次点で融合させています。
生地は一見するとゴム引き?と思わせるような防水透湿系の新素材、ゴアテックスの亜流のようなやつできちんと透湿できてるらしいから偉いもの。
全体やや細身でスーツジャケットの上から羽織れるかな?と心配したが、そこそこ伸縮する素材なので問題なく羽織れる。
ゴム引きめいてるから滑りが悪いかとの危惧も、別にそーではなく普通に袖を通せた。
フロントと両脇ポケットのジッパー防水シール加工ぶりなど本格的なアウトドア仕様でやり過ぎにみえるが、こういう過剰品質が低廉な価格で提供されるのもやはりユニクロの大きな魅力。
張りのある素材でパリッと羽織れる感じ、そしてちょっした雨などフードで余裕にクリア。
そんな感じで気に入っています。
https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/404362
ダウンベスト。
数年来よく見かけているけど、あんなに薄くて暖かいのか?と思ってたがこれが暖かい。
よく考えたらウールのベストでも生地は薄い。
そしてウールの様に身体にへなっと張り付かない感じが気に入っている。
シックな色を選ぶとスーツジャケットの下に着てもおかしくはない。
むしろスーツのストレートな生地の張り具合にマッチしている。
ネイビーと薄いカーキ色?の二着持っています。
劇場版『若おかみは小学生!』
あまりにも出来が良かったので驚いている。
題名から、評判良いけどこんな題の映画見るのもなんだかなあとか思っていたのが、来春には幼女戦記を見に行かないといけないし、名前負けはいけない?と鑑賞したのが大正解だった。
映画雑誌・老人雑誌?にでも取り上げられたのか、普段アニメ映画であまり見かけない高齢者もちらほらそこかしこに居られる。
まだ上映期間中なので本筋はともかくとして他諸々全般的に云えば、
あざとさが無くて、ただ内容だけが良い。
無駄な場面がない。
間延びする展開が無い。
背景、モデル建築のロケーションの充実。
車や露天風呂、図書館?など念入りで過不足無いハード描写。
小学生女子が実家の高級旅館に住むことになって、幽霊や友達との交流も有りながらのドタバタ奮闘記で間違いないのであるが、そしてこんな絵柄なのにだが、『死』が近くにある。
見終わって、これはおさない少女の『生』と『死』の物語りであったのだと、
その中身に圧倒されていました。
気楽に見れる気楽なア二メであることも、その通りでまちがいないです。
たくさんの人にみてほしい、です。
最近の飲み物、アルコール.
ブラックニッカ ディープブレンド エクストラスイート。
エクストラスイート、という名前とブラックニッカということで、モルト主体でないネガティブな感じを受けるかもしれないが、当り、のウイスキーでした。
強いて言えば上質のチョコレートの苦さの甘さ、それが素直な甘さになって広がって口中をス―っと消えていき酔いを残す。
安っぽい糖の甘さでもなく溶かしたキャラメルみたいでも、決してない。
いつも 2.5 くらいにソーダで割ったハイボールで飲んでいます。
真っ当な酒です。
また買いたいです。
最近はやりのストロング系の炭酸アルコール。
滅多に行かないカウンターの高級割烹で、常連らしき人が板前の店主に 『酒なんてストロングドライがあればええんや』 と管を巻いていたのを隣で見たことがあったけど、確かに軽く呑めるし、しっかり飲めばガンガン酔って来るし、蒸留酒系でそれほど悪酔いもし難いしと、ストロングZERO系はオールマイティなところがあって流行るのも良く判る。
その、サッポロ 99.99。
普通のウオッカのような柔らかな甘さはない。
精製を高めたせいなのか、辛いと言ってもいいかもしれない味。
舌先や口当たりの良さを求めるなら、ストロング系のフルーツ割のほうがいいだろうが、この99.99の美質は口中後半から喉越しの雑味の無さ、酔い心地後味、これがしっかりと円やかに酔いを残して、そして数時間たった後の酔いの消え具合を良いのではないかと、私はそーおもいました。
これはケースで買ってみたい感じですが、まだ酒屋ではケース売りは陳列してなかった。
まあ言えば売ってくれると思うけど。
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本当は怖い中国発イノベーションの正体、谷崎光。 読んだ
ビジネスだけでなく、18年にわたって中国北京に暮らし、生活者の視点からもビジネスを見れる著者ならではの、中国人にとっては普通で当たり前、日本人が見過ごして来た、もしくは意図的に日本人が見ないようにしてきた、『中国』の魁異な姿が畫かれる。
中国企業は、共産党が必ず関与や所有している。
人民公社のような長閑な話ではなく、市場で大きく出資したり、または市場で成功した企業を取り込み奪う。
奪う、というのは中国に進出した日本企業がよくやられているのと同じ。
外国機業でなく同国人相手だから、もっと遠慮が無く露骨にやる。
そうして出来上がった中国の社会は、情報通信企業 ·金融機関 ·旅行会社 ·タクシーシステム ·宅配便などなどが、全て共産党が握ることになる。
そこに自由社会の企業倫理も説明責任も働く事はなく、硬直化した党の閉鎖性が永遠に守られるとなると、組織の腐敗が恒常的な個人情報売買を生み続ける。
公安情報でさえ、普通に安値で闇で売買される。
これに個人認証の付いた街頭カメラ情報が合わさると、個人の行動記録が、ネット 電話 マネー 地理 空間 に渡って裸にされ、詳細に数十年以上にずっと記録され続けて個人として集約される。
日本ではいまだに旧ソ連の様な、物がなく活気がなく密告で人が消える管理社会像が流行っているが、リアルでは人が消えるのは同じだが、物が溢れ活気があり猥雑だが、突然に企業も消えてしまう悪しきユートピア、これが私達のすぐ横に有るのである。
ジブリ・思い出のマーニー、観た。
最初から明らかな、真っ当な映画だったので驚いた。
疲れた子供やくたびれた大人に馴染む作品。
10代のとげとげしい心や、幻想と現実の交差の自然さ。
いいものでした。
マー二一。
彼女のキャラデを映画中で最初見たとき、アニメのヒロインにしてはア二メらしいエッジが立っていない。
金髪にしてはやや地味で、?とおもったのだけど、見終わってみて、安奈のイノセントなスタイルもそうだけど少年少女という流れだけでなく、もっと大きなラインへの巧妙な伏線でもあったのだと感服しました。
また伏線というなら、幼い安奈が金髪の人形を抱いていた描写も、大きなラインへの関心を逸らす効果的なミスリードでした。
最初の出会いでマー二ーが安奈の名前を知っていたのは、
『マーニーが何であってもいい』からではなくて最初から知っていたのだと、思い出すと改めて納得したりするのも、いい映画を観た後ならではの余韻です。
幼いうちに世界に傷つけられ人を傷付け、
そして時を経ても繰り返される傷の痛みに、
どうして許しが必要なのかと、一つの回答を物語として細やかに提示してみせました。
この物語は私の中の物語にも届いたとおもいます、感謝。
夏の終わりに、飲み旅行.
定例に近い夏の終わりころの宴会旅行、場所は二の次なので今年も白浜和歌山。
車で行くのは残暑で日差しが暑いだろうなとおもっていたが、ほとんど曇り空。
車内のエアコンも適度に効いて快適でした。
快適だったので、友人に運転させたままちょっと寝てしまいました。
白浜の奥まで高速道路が通っているので渋滞がなければ早く着く、強烈な台風のせいで関空が閉鎖、その影響で一時阪和道に通行規制がかかったが旅行日には規制解除されていた。
チェックインには少し早い、というので普段は全くしない観光地巡り。
三段壁。
観光地カンコーチと来るまでは馬鹿にしていたが、こういう自然のスペクタクルを目の前にすると圧倒されるものがある。
適当に写真を撮っても、それなりに様になっているのは実物の迫力故。
伊達に長年の名所になってる訳では無い、ということか。
観光駐車場の下側に、板を重ねて拡げたような岩濱が拡がり、海岸近くまで歩いて降りていける。
ものぐさな私達は駐車場に留まって俯瞰、鑑賞。
ホテルはまた友人の伝手でエクシブ。
チェックインしてビール。
温泉に浸かってからまたビール。
夕食でまたまたビール。
鶏の黒酢炙り、とかいうものですが美味でした。
ただの鶏の焼き物ですが、一流の調理は違うねと感心。
普段すき家ややよい軒の朝食に感心するばかりでなく、たまにはこういうのもありでしょう。
朝食も一品一品は大したものでない日本の朝食だったけど、きれいに揃えられるとそれなりに豪華。
デザート、バナナの焼き物。
翌日は雨でした。
山中では大雨のところもあった。
帰り路のサービスエリア。
グーグルが勝手に写真を繋げてパノラマにしたりします。
おしまい。
ペンギンハイウエイ面白かった。
8月末にも見に行ったのだが、なんばTOHOシネマでは上映回数を一日2回に絞り込んで、マイナー気味のアニメなのに上映40分前でも満席で観れなかった。
京都や神戸では普通に一日六七回上映していたけど。
原作有りで、しっかりとした世界観を持っているアニメは強い。
よく似た映画の焼き直しでなく、気取ったつもりで安っぽい政治メタファーや道徳トレンドへの諂いを観せられることもない。
ちょっとドラエモンっぽい?と言えなくもないノーマルな設定で始まって、もちろんペンギン·ファンタジーの流れる様なOPは期待させてくれます。
川の探検、森の探索から暗い奥への入り口に辿り着くが、暗い緑と闇が美しい。
缶コーラの投擲なんての奇想天外さは森見ノベルならでは?
森のなかの球を外で囲む小川の結界、少女だけが知っている場所。
少年達の誰も知らない場所が、秘密で大切なものであるという美しい時間。
『 この秘密をバラしたら一生許さない 』と、言葉を数度少女は口にしますが、これは見せ所で、私のとても好きな場面です。
ジブリでも新海でもディズニーでもない、でもストレートにオリジナルに楽しめる日本アニメ。
ほぼ2時間、ずっと楽しかったです。
- 作者: 森見登美彦,くまおり純
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/11/22
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本好きシリーズ、途中から。
ことしの猛暑はホントに半端ではなくて、37度の日なんかはもうクーラーかけていても、それで温度がそこそこに下がっていても、なんだか逃れられない暑さの圧力みたいなので押しつぶされるようだった。
休みの日でも何もする気に成れず、ただ寝ている状態。
見ていたアニメも一挙に半減して、普通のテレビはほとんど見ない、読書する気もなくなって来たので、これではいかんと思いつつ寝ていた。
なにか文句なしに面白くて楽しいものでも読みたいと、そういえば本好き下剋上シリーズ、シリーズの刊行途中であるがネット上ではもう完結済みときいていたので、今までは書籍kindleで新刊で刊行される毎に読んでいたのだけれど、刊行を待つガマンを止めてネットで横書き読書に入った。
シリーズは15巻まで刊行済み。
9月に16巻も新刊。
ネットでアップ済みの完結しているサイトを見て驚いたのだが、未刊行のボリュウムが全体の半分近くある。
これほどの長編だったのかと感嘆。
ちょうど半ば、ローゼマインは今までのように下町とアクセスを取ることが難しくなり、小さなお別れみたいな苦しみも。
それから全部読み終わってからだと改めてわかるのだが、この辺りから文化経済的インパクトをもたらすローゼマインを中心にして不穏な動きが出てくる。
最初読んだ時にはユーモラスだった場面でも、その背景を窺わせる文章になっていて再読の面白さを確認したりも多い。
ネタバレもあれだからザザっとした文になるけど、地下の秘密の図書室、王族との神への祈り、外患案件などなど今まで以上にワクワクした、普通の物語らしい?波乱にみちた展開も待っている。
変身バンクやラスボス戦?こんなののパロディじゃあないけど一捻り二捻りもあるのも見せてくれる。
図書館のシュバルツとヴァイスも、元々が王族の魔道具らしく、図書館の深奥では別の面も垣間見せたりする。
ローゼマインの本好き大好き脳はそのままで、恋愛脳にシフトしないのがいいのだが、終盤に向って成行きから神域にまで触れることに成ったり、図らずも会戦に巻き込まれたりする。
この辺りはローゼマインのポテンシャルを越えているので、彼ら彼女らのその感情の拡散・喪失・混乱と新たなる収束には、平易な文章でこれだけの世界を良く画いたと感動があった。
そして短くて静かで小さくて力強い最終章も見事でした。
長編にして15巻程度のボリュウムを8月の後半に読み切ってしまったが、苦しい夏を乗り切る助けになりました。
これからは新刊をジワジワちまちまと舐める様に読んでいきますが、それはそうとしてまだ読んでいない人は羨ましい。
これだけ長くておもしろい本があるのですから。
本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第一部「兵士の娘I」
- 作者: 香月美夜
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- 発売日: 2015/02/27
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本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第四部「貴族院の自称図書委員IV」
- 作者: 香月美夜
- 出版社/メーカー: TOブックス
- 発売日: 2018/09/10
- メディア: Kindle版
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