一汁一菜でよいという提案、少し変わった子あります、の2冊。
少し変わった子あります (森 博嗣)
こういう地味な文学的な面白さも書けるんだと、今更ながら小説家森博嗣氏の多彩な才能に驚いた。
大学教授が同僚との話、から始まる。
大学の教授周辺事情は森氏の私小説のように詳しい。
くだらない会議、上品な学生、一人だけで過ごせる時間の充実。
友人から料亭らしき店の話を聞く。
本当に食事をするだけの店らしいのだが、どうも要領を得ないし、友人も言い難いらしい。
そうしているうちに、そんな文藝風に話は進むのだが、思い出したのが川端康成の眠れる美女。
そんな官能は全く無いはなしだが、眠れる美女設定の極一部を摘出し、大きくアレンジ膨らませたみたいな感じ。
不思議なストライクゾーンに投げて見せたものだ、みたいな読後でした。
一汁一菜でよいという提案 (土井 善晴)
料理研究家土井勝の次男にして、現在父の衣鉢を継ぎ更なる活躍を続ける氏の、営業や美食ではないストレートな言葉が綴られる。
毎日食べる食事は、常に美味しくある必要は無い。
御飯と味噌汁だけで良い。
具を多く入れた味噌汁はそれがお数。
もともと主菜副菜ではなくて、御飯を食べる為のお数だった。
御飯、味噌汁。あれば漬物、これで普段は十分。
お店で惣菜を買ってきて並べてアレンジするより手間入らず。
簡単でも自分で料理する事が大事。
別に贅沢や外食を否定している訳ではない。
ハレの日も有ればケの日もある。酒を呑む日もある。
家で普通に食事をする時の力を抜いた提案、というか食事のルネサンスのようなものか。
理屈ではなく歴史と経験と常識から腑に落ちる、納得がいく提案。
目から鱗でした。
ガールズ&パンツァー 最終章、タブレット手書き文字入力mazec3。
ガールズ&パンツァー 最終章 第1話
T・ジョイ京都にて鑑賞。
ああ面白い。
全6話の繋ぎや紹介だけではない、文句のないこの1話の面白さ。
アニメッぽくなった主題歌、
進学・進路状況が号外になるアニメの乗り、
戦車探しが突然の九龍魔界行に、
barでの対行戦、
お約束とか予め分かっている危機とかでも、ワクワクとドキドキと笑いが止らない。
充実したアニメの充実した出来映えというのは、見ていて気特ちのいいもの。
すごい数の当場人物達なのに、皆隅々まで気が配られている。
新キャラのマリーアントワネット?はちょっと出ながら在存感のあるかわいさ。
おもしろいけど、時間短いと言えば短い。
でも最初から47分と分かっていれば、それ程フマンでもなかったよ。
「最終章 第1話」、上映時間 47分、 通常鑑賞料金 1,200円均一。
1200円というのが、なかなかの押さえ処。
ただ短時間の映画で6回の続き物のせいか、上映館少ないのは残念。
大阪で2館、京都で1館とはいただけない。
* * *
タブレット手書き文字入力、mazec3(手書きによるカンタン日本語入力)
キーボードでない、とぎれない滑らかさ。
鉛筆ペンを使わない掌の負担の無さ
手書きの復権。
文字を長年書きなれた年寄にこそ向いているし便利なアプリ。
年寄でなくとも点打と判断の入力から、指先の曲線構築への移行は、頭脳を賦活させるインパクトがあると推測する。
丁寧に文字を書く練習にもなるし、何より字を書くことの個人的復権か“愉しい。
一度お試しあれ。
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郊外型スターバックスコーヒー ×2 淡路島・奈良
四国に急な所用が入ったので朝早くから車を走らせる。
本州から淡路島に入ったところで一休み。
ちょうど7時過ぎだったので開店すぐの、
スターバックスコーヒー淡路サービスエリア(下り線)店。
広い店ではない。
紙コップでコーヒーをもらって、広い公園敷地に出て、明石大橋や瀬戸内海を眺めながらコーヒーというのが一般的なスタイルかと思われる。
今回は朝も早いし寒いので室内でゆっくり珈琲time。
観光地なので通常時間帯では混雑してると思われ、早朝の贅沢。
客は8人ほど。
また別に、
奈良ではロクな飲食店が無い、というはその通りなのだが、街中がどうこうは別として、ローカルらしく車をブーンと走らせて、いろんな店をあたるのもその地にあったやり方かと、思って走らせると30分以内にあったので交通混雑の時間帯を避ければ何とか範疇エリアの店。
スターバックスコーヒー 北生駒ならやま大通り店。
特に何処のドーということの無い奈良郊外ローカルのロケーションなのだが、店内はスタバの良質感で統一されているので、『カフェに来た』感の満足度たかし。
男女年齢経歴を問わず、一人で珈琲を楽しみに来れそうな場所。
また直近では、スターバックスコーヒー奈良鴻ノ池運動公園店、が県の鳴り物入りでオープンしたので、日本一美しいスタバとかいう妄言はスタバfan県民もスルーしてるようだが、全体には結構好評で、またおいおい空いている日時時間帯を狙って行って見たい。
社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた、米国を知るもう一冊。
読みやすい。社会学者という題で、引いてしまうかもしれないが、語り口は学述でなく饒舌な独白体、村上春樹の僕に代表されるような小説的な文学的な語り口。
良くできたノンフィンションライターの書いたベストセラーのよう。
でもライターのようにノンフィクと言いながら創作や嘘を混じえたりしないし、特ダネを誇張することもない。
文学的な語り口だがテーマ探しに脱線したり、自分探しに陶酔することもない。
『 お金持ちのエリートと貧困層が共存し、社会階層を超えたダイナミックな動きを見せるニューヨーク。街を1つにつないでいるのは、外からは見えないアングラ経済の巨大ネットワーク。
何不自由ない生活を送りながら売春組織を運営する超高学歴セレブ、
野心を持ち階級を超えてグローバル都市を生き抜こうとするドラッグの元締め、
家族まで呼び寄せたのに犯罪に手を染め去っていく移民…。
出自も目的も異なる老若男女との出会いと別れを通じて、社会学者としての苦悩と成長を描いた稀有な1冊。 』
新しい形の成果を求めて、若い学者がニューヨークでアンダーグランドのインタビューを悪戦苦闘しながら続けるドキュメント。
底辺の売春、それと全く反対のハイクラス白人女性の遊び売春?、上下問わずに蔓延する白い粉、底辺と上辺とで違うビジネスの有り様、文化が違ってクラスを移動できない・・・簡単に言えば確固たる階級の壁、などなどなど。
売春システム分布についての多めのレポートだが、アメリカのリアルな内部構造を知る一冊になっている。
レッドプラトーンはアメリカの、軍事的な世界的関わり;強力な関係性指向性を示す本だったが、この本はアメリカの内臓の奥底から灯りを照して、そのあり様を示した様な本。
これも大層おもしろかったです。
レッド・プラトーン 14時間の死闘、は面白い。
『 アフガニスタン北東部の山岳地帯に位置するアメリカ陸軍の戦闘前哨(COP)キーティング。 この小規模な米軍陣地は、急峻な山々に囲まれた深い谷底にあった。
2009年10月3日の早朝、前哨に駐留していたレッド(プラトーン)を含む黒騎士中隊の兵士50人は、四方からにわかに沸き起こった猛烈な銃火器の発射音に眠りを破られた。
300人を超えるタリバン部隊による、かつてない規模の奇襲を受けたのだ。
《NYタイムズ》ベストセラー & ソニー・ピクチャーズ映画化! 』
その場にいた当事者が、自らの経験と膨大な調査と聞き取りによって再構成された完全なリアルノンフィクション。
メンバー紹介も面白い。日本では上品に化粧して飾って書かれがちだが、
あけすけにメンバーの悪行も語られる。
ゲータレードにウオッカを入れて飲みつつ、訓練に参加する兵士。
テスト用紙を盗んで退学させられ、マリファナ漬になっていた兵士。
『 マリア・キリレンコ、ロシア・モスクワ出身の美人女子プロテニス選手 』の下着(本物)から漂う香り・・・。
極小さな局地戦といえども、米軍の現在のシステムも象徴的に露わになる。
各地各所に軍隊を大量配備して面を拡げるのではなく、ワールドワイドでは空母と飛行能力で必要な個所に必要な時間に必要な軍事力を投入するという、各国の個別でも面でなく、点と線で地域を制圧する、機動能力を極限にまで高めたシステム。
しかしアフガンの地方の果て、細かく入り組んだ山岳地帯に窪んだ小さな盆地、すり鉢の底のような場所に基地を作っていたため、タリバンから安易に包囲攻撃されやすく、やっとのことで友軍機が応援に集結しても、敵味方が近すぎるのと、高空から見てジグザグの地の割れ目の中を攻撃するような難しさがあり、集結した飛行機同士で混乱することになる・・・・
教養的な、社会考察的な見方はうっとしいかもしれないが、その手の見方が正解なのも事実。
最新の米軍、日本人の軍事知識の欠如、軍事知識の補完と言うか必須項目知識かも。
戦略レベルでは政治経済との密接度が高いので、まだ米軍の軍事スタンスは周知されていなくも無いが、戦術レベルましてや戦闘レベルになると、身を乗り出して知ろうとしなければ知ることができない。
そんな要求を満たす貴重な一冊。
『 タリバンによって綿密に練られた襲撃計画、鉄壁の包囲網、絶え間なく降りそそぐ銃砲火を前に、友軍のアフガニスタン国軍は敵前逃亡、米兵たちは次々と斃れていく。
そのとき、無線から切迫した声が響いた。「敵兵が鉄条網内に侵入! 」 』
あと、アメリカの戦略と言うか目的なのだが、この様な失策的な撤退戦においても、実は本質的には大きく成功している。
確かに消費した兵器武器において金額は、タリバンのそれよりも遥かに巨額だろうが、人的には10倍以上の人数を撃ち取っている。
確実にタリバンの力を削いでいるのだ。
この辺りをどう評価するのか、全く評価しないのかによっては読後感も大きく変わるだろう。
GODZILLA -怪獣惑星-、京都にて、アニーホールバー
京都で時間がとれたのでゴジラアニメ。
三条商店街から山手を望む。
MOVIX京都。
シンゴジラが、政治社会を含めたリアリズムを掘下げたゴジラ・ルネッサンスというか、新たなるゴジラの再構成に成功したのであるが、本作GODZILLA -怪獣惑星-はゴジラの持つポテンシャルの莫大さに合わせ、世界観を宇宙規模に再創造して、アニメの魅力、アニメでのゴジラ世界の魅力を十二分に発揮させた。
シドニアの騎士が地球に戻ってゴジラとウンヌンという誂った評価もチラホラあったが、シドニア東亜重工とは明らかに世界は違う。
スケールをリアルに根ざしている距離感や空間感覚が、これがポリゴンピクチャの上手いところ。
文句なしに、上映時間中楽しめました。
ANNIE HALL BAR。
京駅前には本格的なbarがない、と言われるし実際に探しても見当たらなかった。
ホテルbarとかになってしまう。
中心地から離れた所で、繁華街が栄えているというのは、これまた歴史的変遷があっての事で面白いのだが、四条で飲んで京都駅までいったん戻らないと帰れないというのが、やや面倒くさいところ。
そこでネットで見つけていたbar。
京都駅北を出て直ぐ左折、ビルの合間を真っすぐ行くとアパホテル京都駅前が見えてくる。
そこで右折すると、アパホテルの隣にアニーホールバーがある。
しかしアパではなくて、その隣のハトヤ云々という旅館ホテルのテナントらしい。
期待にたがわぬオーセンテックbarでした。
丸椅子風のイスの座りが柔らかい。
普通の酒から、凝ったというか尖った酒も置いてあるが、アイラ系の酒も氷も繊細に注ぎ扱って美味しいハイボールにしてくれる。
アテに八つ橋が出てきてビックリ。
これは当り、の店。
京都の夜でした。
水道パッキン交換、してもらう。
キッチンの水栓が前々から締りが悪い。
固く力を込めて締めないと水が漏れる。
数日前から締めてもポタポタが止まらなくなり、水滴の着音が耳障りなので着地点調整したりしてごまかしていた。
ある朝ポタポタどころかではなく、水が紐のように細くなって流れるまま、締めても締めても止まらなくなった。
市役所の水道局のホームページにパッキン取り替えの手順が詳しく載せてあって、少し自分でやる気になったが、水道口に合うレンチが家にはなかった。
以前にトイレ修理に来てもらった事のある業者に来てもらうことにした。
1日半待ち。
絶えず水音がするのは、ややストレス。
パッキンは中で割れていた。
出張費3000円 作業費2000円 消費税400円 で計5400円。
些細な作業とは言え、大人一人時間割いて出向く特殊作業とおもえば妥当だろうし、
企業努力が足りている価格なのかと思えば、高いかもしれないし、
でも水道工事の世間一般の悪い風評を考えれば、過去に来てもらった事のある業者を呼んでリスクを避けるのが安全策だろうしと、
そんなで、まあ納得して支払いは済ませました。
ガチガチとネジを締めるような感触から、回しても突当りの無い、ゴムの柔らかく締まる感触になったのには、素直な驚きがありました。
取り付けのレンチの締め具合は、あまり固く締めると蛇口が固くなってしまうとか、対になる細いリング状のパッキンは取手付近が石灰が固着しているせいもあり替えられなかった、とのこと。
日の名残り カズオ イシグロ 、読了
文学らしい長編は久しぶりだから最後まで読み通せるかなとか、やや危惧していたが全くの杞憂だった。
1週間ほどの、実に愉しい読書でした。
古く著名な貴族の館で、長年にわたって執事を勤め上げてきた初老の紳士。
ふとしたことから長いドライブに出掛ける。
今はアメリカ人の手に渡った館の現状。
ジョークを生真面目に考察する姿勢。
長く波乱もありの執事生活の回想。
執事のパーソナルな話かと読み始めたのだが、イギリスの近代歴史にもザラリと触れるような奥深さもあって興味が尽きない。
翻訳の日本語はとても熟れている。
日本人が普通に日本語で書いた小説、そう言われても納得できそうなくらい。
英国の豊かな自然、館にかつてあった英国の偉大なるもの、それらを支えて来た数々の執事たち
メイド達。
パラパラと歴史的に有名な人物も、館を訪れたりする。
この小説はグレートブリテンに結実したモノノアワレ、なのかもしれない。
形骸化しても歴史ともに輝く栄光と品格。
全うした人生の一方で、欠けて失われる何か。
それでも作者の眼差しは暖かく優しい、あたかも夕陽がおちるのを見守っているように。
派手さもあざとい展開も無いが、読み終えて深い確かなものが伝わる傑作。
とてもよかったです。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
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ヤクザとオイルマネー 石油で250億円稼いだ元経済ヤクザが手口を明かす: 猫組長,渡邉哲也 を読んで
現代、日本の石油流通については安定供給を至上命題として厳密な管理供給体制が出来上がり、国際比較で高値安定にすることにより市場の混乱を無駄に避けるようになっている。
この中、日本の一個人がいかにして石油を買う事が出来たのか?
まずツテを頼ってマレーシアに飛ぶ。
そこで初歩的な概況を俯瞰して、次はサウジアラビアに飛ぶ。
ここからスポットのホルダーを紹介されるのだが、紛争地帯と国をまたぐことになり地理的にも治安的にも容易く行ける場所ではない。
この当たりから、状況は冒険小説めいてくる。
しかし吹かした自慢話ではなくリアルな突貫であることは、費やした金の具体額と状況の生生しさが裏打ちしている。
旅の途中、イスラム国に入ろうとした数人を目撃する場面は印象的。
様々なツテを頼り、人材の数を確保しながら目的地に向かって行く姿は、図らずも現在の石油需給システム全体の強固な排他性を浮かび上がらせる。
それは産油国以外は、大きな国家単位でしか参加できないものなのだ。
その膨大な利潤と、国家政経上の重大性ゆえに。
また、日本のカジノ法については対談両者の議論があったり、コナミがいち早くアメリカのカジノ機器に参入、またカジノの銀行的役割、ヤクザのカジノ対応あれこれと、いろいろ語られる。
『風説の流布』ではない「SNS相場」とか、心の琴線でなく具体的な金銭に響きそうな話題もある。
石油は第二のゴールドであり、第二の武器であり、だからこそ直接テロにもつながる。
『テロとの戦い』は他人事ではなく世界から身近に迫って来ている。
それに対抗する世界的な法構築が、日本を除いて完成しつつあったという冷や汗物の状況。
世界の現在進行形の危機、その侵食と蔓延と歯止めを伝える割とマトモな一冊。
ヤクザとオイルマネー: 石油で250億円稼いだ元経済ヤクザが手口を明かす
- 作者: 渡邉哲也,猫組長
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2017/09/28
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リーガルのデザートブーツ
昭和のおわりくらいに買ったもの。もう少し前か。
リーガルのベイシックなローファーが1万円くらいだったころ、その頃で此のデザートブーツは1万五千円くらいだったか。
今はもう、生ゴム靴底のデザートブーツは販売していない、らしい。
靴紐の先、棒のように細くまとめられている部分が解れて、使い難くなって箱に入れて片付け、10年以上は放置していた。
放置したことも忘れていて、1年前に大掃除の際に箱を見つけて、箱開けてびっくりでした。
ミンクオイルをたっぷり塗り込んでリフレッシュし、ボチボチと又履き始めた。
柔らかい革と生ゴムで足首まで覆って、寒くなる頃には好いのだけれども、ホントに寒く凍えてくると、生ゴムが固くなってしまう。
靴底がまったく曲がらなくなるのだ。
履き始めてしばらくは下駄をはいているようなカツンカツンとした感覚。
ああこれも嫌になって履かなくなったんだと思い出したり、もちろん30分も履いているとやや解れてきて普通になってくるのだが、出勤スタート時点で歩く状況での不快さは見過ごしがたかったのだった。
そんな感じ、おもいだしました。
昔に比べて持ち靴のバリエーションもやや増えたし、寒む寒むしくなる前まで履いていればいいとか、そんな今の方向性。
靴ひも先は黒ビニルテープで巻いて止めて対処しました。
まあ、気のならない程度の出来です。
・・・・・
先日久しぶりにデザートブーツの手入れ。
ミンクオイルをベタベタ塗り込めた後、ふと思いついてシュークリームを塗りました。
1日置いてから触ると、とてもいい出来です。
ツルツルシコシコで、プリッとした感じもちょっとあって、瑞々しい革の官能性が、おおげさだがあるようで、思わず笑みがこぼれます。
オイルの後のクリームが、好い感じにオイルを皮に馴染ませたのでしょう。
ベタベタ感がない。
まあ、日々の小確幸、というやつです。
良い靴を履く、また楽しからずや、・・・でした。
[コロンブス] columbus ブートブラックシルバーライン シュークリーム (ニュートラル)[HTRC3]
- 出版社/メーカー: columbus(コロンブス)
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少女終末旅行、コミック・アニメ・アンソロジー
Blogで紹介されていたり、アニメも始まって、これが中々充実していたりだったりで、少女終末旅行コミック 5巻+α 読み終わりでアニメも視聴中。
下手なアニメだったらOPもEDも録画だったら飛ばしてしまうが、本作はOPもED、画も音も魅力的。
EDアニメーションなど、コミック作者が線画をフルに造り上げたという驚愕もの。
『 文明が崩壊した終末世界。ふたりぼっちになってしまったチトとユーリは、愛車のケッテンクラートに乗って広大な廃墟をあてもなくさまよう 』
サイエンスフィクションであり、ロードムービーであり、過去に遡及して私達を確かめる物語、でもある。
さいしょ読み始めた時は、絵柄が同人誌というかそんな落書きアートめいた、むかしのガロに載っていたような、狭いメンタルの繊細な空想談かと思っていたら、そうではなかった。
けっこう太いラインがあって、出逢って別れるキャラも魅力的だった。
地図を作成する中年男性。
飛行機を作って旅立ちたい女性。
水槽を管理し続ける長方角。
ヘビネコは弾丸も火薬もOK?
管理機械については、意識の位置づけについてあれこれ考えると面白い。
長方角、ヘビネコ、ろくろ首3d映像、いろいろとあって、管理側でないのもあるが、立場も段階も勝手も違い、でも問い掛けに返事をしたら『人』扱いしても、超広義には間違いではないだろう・・・とか。
伏線の笑うほどの露骨さと、ロングスパンの巧妙さ。
地図を無くしたら死ぬとか、会話そのままに展開するのが、それでも絶妙だし、別れに貰ったカメラや拾った?ラジオ、これらが後々意外な拡がりを見せたりする。
読み終えてしばらくして、またあのキャラの姿や言葉を聞きたいなと、もう一度巻を最初から捲ったりした。
アンソロジーでの作者自身コミックにあったように、平行宇宙・パラレルワールドという考えが身近に思えた。
廃墟や、廃線や、無人の都市を飛ぶヒコーキは魅力的。あたかもそんな世界が、今の私たちの平行世界で有るかもしれない、かのように。
アンソロジーというより、少女終末旅行の別巻にしても良かったみたいな、上手いマトメ方でした。
TVアニメ「 少女終末旅行 」オープニングテーマ「 動く、動く 」
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TVアニメ「 少女終末旅行 」エンディングテーマ「 More One Night 」
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- 発売日: 2017/11/29
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タイヤ交換、REGNO GR_XI
何の変哲もない普通自動車にのってるけど、自動車はオイルとタイヤで走る、とかいう箴言だけは覚えていて、オイルの方はずっといいものを使っていたのだが、今回タイヤにもエイヤッと手を出した。
比較的高価なタイヤ。ブリジストン REGNO GR_XI、ネットとか評判がいいのでカーショップで購入、取り付けて貰った。
タイヤ音は静かになったのだろうが、そうすると他の音が目立って、そこそこ程度の効果。高級車だったらもっと静音の効果が判かりそう。
接地の食い付きが良くなった。
これは阪奈道路の長い下り坂で実感した。
阪奈下るとき、アクセルから足を外し、ハイスピードだがエンジントルクは無く、慣性と落下でタイヤが下に転がって行くだけの走行になるが、直進安定性が明らかに違い、ハンドルを握る手が安心だった。
ハンドルのキレがました印象もあった。
タイヤ口径が同じだから気のせいかもしれないが、なんだか僅かに小回りになった気が?
車に乗るのがちょっと楽しくなりました。
ブリヂストン(BRIDGESTONE) 低燃費タイヤ REGNO GR-XI 195/65R15 91H
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レビューの多かったAmazonリンク。
これに値引きアリ。
京都でアニメ映画見る。ラノベ一冊。
元々のスタイルが人の交わりに参加せず、同調せずに高みの見物で見下して、でも自分の無力さは知っているから流されるままに流されて、自分の脳内と家族と缶コーヒーだけに幸せを求めていた比企谷八幡だった。
しかし巻を経て、人との関わりが生まれ、繋がり、遂には『本物が欲しい』と言い、宣言するに至った。
こうなると今までのような、人の裏をかくような立回りや、毒には毒を持って制すみたいな行動も取り難くなる。自他ともにせせら笑うような饒舌も『本物』との均衡を求められることになる。
それはシリーズのウリでもあり魅力でもあったものの否定にもなり、多分作者はそうとうに苦慮したのではないかと、かってに推測したりする。
この巻において物語が淡々と進み、今までのようなあざとさがない。
作者は軌道修正になんとか成功しているよう。
キャラの活き活きとした姿がそのアカシ。
劇場版 響けユーフォニアム 届けたいメロディ。
商店街の一画にある映画館。
一部の上映が、道を隔てた隣ビルでやっているので初回の人は注意。
見たいアニメをもう一度見せる、見たい場面を見せる、見たかったように見せる。
この塩梅が上手い、さすが京アニ。
よくあるアニメダイジェストのように、全部あるけど全部中身が無くスカスカなんてならない。
久美子と田中アスカに絞った劇場版は、二重丸を付ける出来。
田中アスカというキャラが、これが隠し玉にして大本命だったという作品のせいもあるが、
再構成の繋げ方、
大胆な使い回し、
適切で目立たない新カット、
改めて京アニの腕の高さには感服です。
みぞれ等の本筋を大きく略しているので、
アスカ邸での背景開示と共感のあと、
校舎裏での久美子の再説得アプローチに対する、アスカの久美子人格への鋭い逆襲が、
これがやや弱くなってしまったのだが、
でも、その後の久美子の再逆襲が森も木も薙ぎ倒すほどの声力?で、心を揺さぶる。
特典って普通に売られてるんだ・・・高価。
映画見た後、木屋町の昭和っぽいBarで酒。
年寄りの多いゆるい空気。
あてにコンビーフ。
飲んだ後に四条通りに出る。
気の抜けた緩い空気のなかから、国際観光都市キョウトの雑踏に紛れ込むと、その落差に軽いカルチャーショック。
ジョギング途中の白人女性が信号待ちしてたが、脚や尻のラインが丸出しのタイツを穿いていて、しみじみグローバルだわなぁとか思った次第。
寺町通の小さな店でつけ麺。
7人席程度の狭い店。
若い中国人カップルと私の3人。
こういう小さな店が散らばって在るのも京都の魅力か。
おしまい。
蜜蜂と遠雷 直木賞・2017年本屋大賞受賞、恩田陸
コンクールの出だしからして秀逸。
特異なキャラを背景において、一癖も二癖もありそうなリアルキャラ達を審査員に配置しての進行。
ビッグイベントに突然の衝撃を与える展開は、あれよあれよと読みおわってから、手練れた作家の周到なプロローグだったと、そう思い至るも、読んだ満足感は途切れない。
ホント面白いし、安心して読んでいられる。
音楽に疎い人間でも、そこに人としての葛藤・希求・逡巡が確かに在ってグイグイと読ませる。
アニメの、響けユーフォニアムのファンでもすんなりと馴染めそう。
小説のリアリズムもあざとさも飛躍も踏まえた文章。
ドラマで言う所のナレーション、小説で物理表現に止まらずに登場人物や雰囲気世界を敷衍する惜しみない地の文章言葉が詰まっている。
キャラ設定が絶妙に上手い。
亡き天才音楽家のまさしく秘蔵の弟子を頂点に、
過去に舞台から逃げた元天才少女、
大本命のカリスマ、オーラさえ漂うハイブリッド王子、
普通の生活をしていたが若年の挑戦をこれが最後と舞台に望む会社員、
勃興するアジア勢ピアニスト。
この物語で頂点となる音楽は、おそらくは現実にはあり得ないものなのだろうが、各キャラとの関連と相互影響のインパクトのお陰でリアリズムを獲得している。
ネタバレ回避ばかり気にしたら、何言ってるか分からん文章になったか?
それはそうとして、Amazonのレビューも結構面白い。
多分クラッシック音楽に詳しくて小説はそれほど読んでない人達が、( 別にそれが悪い訳では勿論無い )、小説的技法・あざとい読ませ方・誇張した見せ方に付いて行けなくて不快感を表明している人が結構いた。
ガチで音楽雑誌に載せるような評論解説をしていたら小説にならない、なりにくいと思うのだが、まあこの辺りの感覚の相違は、全く異なるジャンルの芸術表現はそうなるよね、という感じ。
実際、もし譜面でなくて短編小説を前において、朗読をピアノでやりますと言ってピアノを弾き始められたら、音楽感性の豊かな人は面白いとおもうかもしれないが、音楽に疎い私などはやっぱりそれ違うよと、そうおもうと思う。