中華そば おしたに
24号線と並行して南北に走る県道9号線。
普通の道だが、奈良ではそこそこの幹線道路。
奈良は遺跡の影響だろう、南北にしろ東西にしろ貫く道路が乏しい。だから車が少なくても渋滞したりする。
その9号線のラーメン店新店。
ごく最近では、この道路沿いもっと南に、旧ローソン跡地に奈良では名のあるラーメン店が店を出している。
無鉄砲系のラーメン店もあったので道路沿い3店になった。
奈良らしい時期の遅れたラーメンブーム?
特製醤油そば。980円。
出された丼を見ると醤油と煮卵とチャーシューの色が鮮やか。
濃い色合いだけど濁っていない。
奈良の老舗イゲタ醤油使用とのこと。
麺もスープも腹の奥に馴染む味。
メンマの解れ具合は、舌に官能的。
チャーシューも自家製だろう、食品会社の製品とは違う柔らかだけど確かな歯応え、肉を食している充実感アリ。
良いラーメンというのは、やっぱり御馳走。
それにやっぱりラーメン屋は個人経営の店ですね。
神経が行き届いています。
こういうレベルの店は繁盛してほしいものです。
近くのローソンに寄る。
唐招待寺の直ぐ東にある店。
ローソンブルーが、奈良らしく幾分くすんでいる。
庁舎場は広大。50台以上駐車できるのでは。
平日は空いてます。
祝祭日は知りません。
また別の日、特製塩そばを食す。
3種の塩mixとトリュフ油なんかの組合せは、箸をつけて啜ると、その繊細な味わいに驚き。
映画、虐殺器官みました。
昔原作小説を読んだときにはリアルのイラク戦争の諸事象との一致点がなにか気になって、リアルにより過ぎかとかの感想だった。
今回アニメ化、原作内容を全然忘れていることもあるけど、とても面白かったです。
大人が見て、言葉を聞くに耐える脚本です。
『 アメリカではテロの脅威に対抗すべく徹底的に情報管理される一方、その他の各地では紛争が激化。
各紛争地を渡り歩く米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉のもとに、紛争の気配が漂い始めるとともに現れ泥沼化に陥るといつの間にか姿を消す元言語学者について調査するよう指令が下る。 』
原作もそこそこ年月がたって、いい感じに見る方も制作側も練れてきたというか、リアルに引き摺られすぎない確かな物語世界。
といっても魅力の大半はリアルベースの戦闘場面の描き込み。
米軍の秘密裏の作戦を、指揮中継から移動そして戦闘と対象確保までじっくり見せます。
これがリアルであるけど、リアルの一歩先の光景を創出しているのがアニメの醍醐味。
ヒロインを始め登場人物は表情が自然に豊か、魅力的です。
現地ロケも入念にしたのだろう、夜のチェコ市街は美しくスリリング。
覚えてないけど、厚い原作を繊細に選択して抽出し、丹念にアニメとして膨らませたことが実感できます。
しかしどんな原作小説だったのか、ちと読み直したくもなりました。
大人の鑑賞に耐えるアニメです。
Huawei 8インチ タブレット MediaPad T2 8.0 PRO 購入
メディアパッド購入。
ビッグカメラにて、19,224円、10%のpoint付与。
グーグルタブレットNexus7からアンドロイドタブレットの世界に入ったが、その高性能振りには十二分に満足していて、後継のNexusをずっと待っていたのだが、待てど暮らせどいい便りはなく、結局出る見込みはなさそう。
今のところは。
Amazonのメディアパッドレビューに、『 Nexus7(2013)を長年使ってきてその後継機の出る出る詐欺にあい(笑)いままで・・・』とかあって、皆そうなんだなと笑ってしまった。
おそらく、Nexusタブレットはグーグルの極めて戦略的な商品であって、アンドロイドによるパーソナルクラウドの世界を実現させるための戦略アイテム、だから後継として中華他社が同種の商品を続々と販売する状況になれば、もともと家電メーカーではないグーグル、徐々に家電製造を縮小撤退しているのだろう。
戦略的、とは安価で高性能のネクサスを市場に投入して、数多くの人達をアンドロイドクラウドタブレットの世界に導くことが出来れば、その時点で目的達成なので、敢えて家電事業の規模を拡大したまま維持することは無い、ということ。
そうすれば顧客はGooglesystemを使い続けることになるし、それこそがGoogleの目的だからだ。
それは日本家電が中華に破れて撤退していったのは全く異なり、中華各社が次々とモノマネとverUpしてNexus後継不在の穴を埋めるのは、当初から折込済みの戦略だった、のだと推測する。
余多多くの顧客が、というよりネットのメインストリームがGooglesystemを使い続けさえすれば収益が取れるビジネスモデルが現在、もしくは将来に渡って確固としてあるのだろう。
メディアパッド使用感想としては、
グーグル日本語入力とかグーグルカレンダーとかが初期添付していないのでストアからダウンロードする必要がある、とかはある。
検索バー が画面中央配置なのと、時間天気が常時表示なのでアイコンを置く数が少なくなる。
しかしでも、最新家電の洗練はある。
画面表示のチョットしたところなんかに感じる。
もちろんネクサスの使い勝手の方が慣れていてイイのだが、最新の優位性もやはり有りか、といった感じ。
最新の進歩も画面のふとした動きなんかにも感じられる。
今使っているNexus9も高性能だけど、スペックも数々上回るのだけれども、やはり技術の日進月歩の経過年月はあったのだと感慨もあった。
初期設定については何がベストかよくわからない。
それでも不満なく使えます。
買った狙いとしては、タブレットが故障してロスした時のあたふたが結構疲れたので、バックアップとしてが一つ。
二つ目として充電とかその他、使い勝手の点でタブレットが2つあった方が、使いよう様に途切れなく、そして機器にも負担少なく使えるだろう、と判断したため。
あと、中華だから安全性の危惧は当然あるが、使う以上は任せるけれども最低の防御ラインは守る、と言ったところか。
具体にはネットバンク等は使わないとか金銭に係る操作は控えるとか。
出来の良さをいろいろ感じていると、つくづく日本の家電は負けてしまったんだなぁと思った。
Huawei 8インチ タブレット MediaPad T2 8.0 PRO ホワイト ※Wi-Fiモデル RAM 2GB/ROM 16GB【日本正規代理店品】
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貧者の一票 2016/12/24 渡邉 哲也 著
貧者の一票 グローバル経済の崩壊と連鎖する無血革命 2016/12/24 渡邉 哲也
せーじ的なことに触れてあれこれもなんだけど、読んでみて最近は転換点にあるとか常々おもっていたので、本の内容と私的な感想をごちゃ混ぜに。
安倍政権が給与引上げににまで口を出す一見社会主義的な動き、英国のEU離脱や米トランプ勝利におけるマスコミのミスリード。
などは共通した底流があると思っていた。
イギリスは船荷に代表される貿易保険を欧州で余多取扱う能力があり、
『ロンドン金融市場デリバティブはユーロの7割を占める。
英国のEU離脱により、こういった簡単に代替えできない金融システムが欧州大陸から遠ざかることになる。シワ寄せは大陸の方に来る。
ドイツの主力銀行は米サブプライムローン等のリスク資産を、未だ清算できないまま破たん寸前にある。
欧州大陸経済の弱体化。』
『経済的な失敗や破たん状態にあっても、中国やロシアは軍事拡大路線を取り始めた。
自由平等人権といったモラルを顧みないのは米トランプでなく、現実に領土を求めて戦争を初めて占領している中露である。』
『ベイシックインカムとは、国の社会保障や国土管理をほとんど廃止して、その余剰を国民に分配して後はお前達で決めて判断しろというのが元々のもの。』
半世紀前あたりから多国籍企業が蔓延し、課税根拠地を巧妙に隠すようになった。
『近年の企業の国際的アウトソーシング。無国籍利潤と引き換えに自国労働者の困窮化。
国を超えて最安地の国を求めるグローバリズムでなく、トヨタホンダの米国現地生産のように消費地での生産は生き残る。』
『一方、リーマン後から始まった企業の四半期決算のため、多くの企業は中長期的視野を失った。』
いまのせかい、根幹にあるのが既存マスコミの腐敗と機能不全。
ネットでダイレクトに見聞き判断する能力を持った新しいmassにとって明らかなものだが、企業マスコミ内部で組織を守る人間には解らない。
明治維新の様な変革が次にこれから起るとすれば、今度は政体が主な対象ではなく、目的とするものは既存マスコミ新聞テレビの解体であろう。
奈良で酒、一升瓶を買う
ネットamazonで日本酒を探していて、安いのないかなーとか、どこでもプレミアムな日本酒、寒梅とか久保田とか獺祭が、高価になってしまうのは仕方ないのかと見ていた。
そんなとき、そこそこ安いじゃないか、でも送料込みで同じくらいか、でふと出店者の詳細を見てみたら奈良市の業者。
これなら発注せずとも買いにいけるのではないか、と住所をGoogleMapるとJR奈良駅前の小さな酒屋、そこそこ古くて、品揃えが良いのでそこそこ有名な店らしい。
駅前は車道歩道が観光客対応の造りになっているで、車で行くのならば近くの有料駐車場に駐める必要あり。
こだわりの地酒・焼酎&Wine福森酒店
電車と歩きのときに店に行ってみた。
間口は狭く奥はやや広い。
店内は薄暗く三面が冷蔵ケースになっていた。
プレミアムな日本酒の品ぞろえが良くて、安い。
出荷元の酒蔵が地元価格で全国でも売って欲しいと思っていても、安売り量販店でも地元価格の二三割増しで売っているのが普通。
少量しか入手出来ないからと言い訳だが、実際は高くても売れるから安くしない、だろう。
だが、この店では地元価格で売っている。一般の二三割安。
いいいですねぇ。
八海山の本醸造を、2850円税込みで購入。
冷蔵ケース一番下に八海山ブランドが価格順に並んでいた。
そこでどうなるかというと、一升瓶を持って歩くことになる。
予め予想していたので、カバンは首ごと肩に掛けるようにしていた。
両手空けた状態で片手で一升瓶ぶら下げて歩くのだが、やや緊張感あり。
落とすと割れるし。
普段はスーパーとか量販店に車で乗り付けて、荷物はカートで運び車トランクに入れてと、実質家に着いてからしか酒瓶を持つことは、無い。
タイルとかアスファルトの歩道、車道の横断歩道を一升瓶持ってブラブラ歩くのはちょっと変な気分。
駅中含めて20分少々しか歩いてないが。
昔々は昭和中半まで、人はこんな気分で酒を買って帰っていたのか、酒買って嬉しいようだけど落としたら大変なような不安さもあってとか、そんなこと思いました。
写真はやよい軒で昼食前にパチリ。
店で酒を出してるわけではありません。私物。
数日後、家でのんでみると、雑味のない透明な口当たりで、ほのかに甘さがのこる。
普段飲みでも、自分へのお祝いでも、人へのお勧めの一献でも皆良さそうないい酒でした。
この頃よんだ本など
モームの短編文庫本。
昔出ていたモームの短編集は厚さ5ミリ程の新潮文庫。こういう薄い文庫本は、最近出版されることは無い。
私はと言えば、10代とは社会経験とか色々あって全く違う人になったようが、根っこのところ私は何も変わっていない、いなかった。
幸福という短編は、再び南米のフランス犯罪植民地の地を扱う。
主人公は元警官にして現囚人だが、仕事を任されて家と衣服の自由を得ている死刑執行人。
面白そうでしょ、面白いです。
貴族の子供の話で、テニスの才能があるからウインブルドン予選に出場させてみる話もある。
バルサが見れなくて寂しいので、読んだ事はあるのだが、原作の続編にあたる『闇の守り人』を再読し読了。
アニメ見ていたばかりなので、バルサのセリフ『どうしたものなのかねぇ』とか、リアルに耳の奥に再現されたりして楽しめました。
初読のときは話の筋を早く追いたくて、細かい所は飛ばし勝ちだったが今回はじっくり読めました。
熊本城の籠城から脱出した奥大隊が、脱出に失敗し戦闘して全滅覚悟で、全滅しても城内の食料消費が減る。
その効果も含めて決死行に出た事。
脱出行のどさくさに官軍城兵が地域で食糧調達するのはともかく、その辺りに出稼ぎに来ていた娼婦までも城に来てもらって傷病兵の看護手伝いしてもらったり、慰安の本業も発揮してもらったりと城内士気高進に役立ったこと。
司馬遼太郎の『小説』とは違って『史伝』といスタイルだが、事実の取り上げ方が異なるというか、司馬遼の取り上げない事実が多くて面白い。
不滅のあなたへ(1) (大今良時) Kindle版、読んで頷く。
この人の軌跡には驚かされるものがある。
コミック『聲の形』で名を確立、京アニによる同映画化は質の高い成功を収めた。
そして本作。
何者かによって”球”がこの地上に投げ入れられた。
情報を収集するために機能し、姿をあらゆるものに変化させられる。
現代のリアルコミック『聲の形』とは全く違ったグレーなfantasyです。
著者は冲方丁の名作、『マルドゥック・スクランブル』のコミック化によりデビューしましたが、そのヒロインの少女バロットは四肢の機能の多くと声帯を失います。
その彼女に、ユニバーサルアイテム・ネズミ型万能兵器・ウフコックが力を貸す。
デビュー作の次が『聲の形』で、聾唖の少女の話です。
今回の『不滅のあなたへ(1)』は、『姿をあらゆるものに変化』するものが登場。
『マルドゥック・スクランブル』のバロットの聲、とウフコック・ユニバーサルアイテムに見事に重なるが、パクリとか模倣とか言うレベルでは全然無く、それは一つの触発であり、触発された種が新たな地で全く異なる瑞々しい大樹に花を咲かせたような、壮観とも言うべき景色です。
何者かによって投げ入れられた”球”が、地上の形を模倣し、生物を模し再生し、ついには人が飼っていた狼に形を変える。
狼はかつての記憶に導かれて飼い主の元に戻り、廃墟に残された少年と不器用な旅を始める。
そこから更に時を経て、少女を生贄にする伝統を持つ村と係ることになるのだが、この不思議な話の流れを自然に読ませるのは、幸運と偉大な才能、というべきものでしょうか。
おおきな才能がわさわさと開花していく様を見れるのは、何とも気持ちのいいものです。
村上春樹はオカルト作家である、モーム短編を読んで。
サマセットモームはオカルト作家ではない。
ただ事実の中にオカルトが含まれていたとしても、モームはそれを排除しない冷静さと皮肉を持っている。
村上春樹はオカルトでズブズブだから、モームからそんな姿勢自体を学んだのだろう。『剃刀の刃』なんか好きな本として村上春樹も言及しているが、短編『マウントドリイク卿の死』なんか、村上春樹に相当強い影響を与えたのではないかとか推測に足る作品。
ある精神病医の話なのだが、自分の医学知識や医術技能を遥かに超える実績と、理由の付かない能力を持つ医師の話。
この医師はフロイトやユングのいかがわしさは百も承知で、彼らの業績にも全く信頼していない。
その医師が国家的に優秀でスノッブな貴族政治家、マウントドリイク卿を診ることになるのだが・・・
私はこの小説を読んで村上春樹ねじまき鳥クロニクル、そこでの僕の医療行為、を想起した。
全く違う話だけど、ある種の似た話が作家によって如何に異なる出来になるか、明示されているかのような印象を受けた。
まあ勝手な推測ですけど。
もっともモームはオカルト作家ではないので、もろオカルトを扱った長編小説『魔術師』なんてのもあるが、これは成功作とは言い難い。
元々の短編集。
モーム傑作選。
- 作者: ウィリアム・サマセットモーム,William Somerset Maugham,木村政則
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/04/12
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ふしぎの国のバード 3巻 ・短評
新政府によって生活が悪くなったとか、官軍による強奪暴行強姦が大きく絵柄で描いてる。
薩摩長州が勝ち取った敵陣周辺を『分捕り』していたのは事実だし、官軍は綱紀を厳しく取り締まっていたが逸脱もあったろう。
英国人記録では、長州の傷病者が官軍の地位をかさにきて、住民から金銭を巻上げようとして軍規に触れ、処刑されて首が晒されていた、ともあった。
一方で会津側の厳しい圧政で農民らの離反を招いた記録もあり、戦時下での会津武士らの民衆への無体な振舞もあった。
直接当時の記録としては、中立的な英人医師ウィリスの記録など全体の的を得ているように思う。
私の読んだ記憶の限りでは、特にバードに反日本政府感想が強かったような覚えもなかったので、?な絵柄でした。
バードの新潟への川下りの段、これなど原作箇所とコミックを比べると、探検家個人が文章で表現する情報と、連載コミックで表現しやすい内容との差異と乖離を考えることができて興味深い。
片隅の人生 (ちくま文庫) W.サマセット モーム 読後
『 東南アジアの島々を舞台に繰り広げられる人間模様を、達観した老医師の視点でシニカルに描く。
科の名医サンダースは、中国人富豪の目の手術をするためマレー列島の南端にあるタカナ島を訪れ、そこで奇妙な二人連れに出会う。』
少なくない日本人が現在、世界のあちこちにで佇む、行く。
ビジネスで働きに行くのでなく、トラベルで通り過ぎるのでもなく、彷徨して腰を下ろし漂う。
そんな時代になって来たからサマセットモームの南洋ものは、過去においてよりも今日でこそ今の私達にとってリアリティがある。
今日では余り書かれない阿片についても、当時の感覚で少し書かれている。
手の付けられない中毒者でなく、おそるおそるの鴉片チャレンジャーでもない、普通に阿片を嗜む人物の生態。
主人公の医師が嗜んでいるのである。
短編にモームの真髄があるとは言いながら、長編の展開に不安さは微塵もなく、それは読者の一方的な勘繰りで、長編ならではの表現と構成は小説文章を心得切った手練れと、読みながら改めて感心した次第。
個々の場面で展開が読めたり予期できても、人物の造形と描写が判り易くて卓越しているから、じっくりと深く文章を読ませる。
短編とは違った魅力がある。
月と6ペンスのようなメインテーマでもないが、芸術と人、というテーマ、もある。
異国の地において、『本当の自分』を見つけたばかりに失速していく人々。
オーストラリア大陸の北端に浮かぶ木曜島で、白蝶貝採集や真珠取りをする日本人潜水夫が僅かに出たりして時代を感じさせる。
登場人物は皆多面的に描かれる。
右から見た姿と、背中越しでは違う人のようにさえ見える、とかのように。
これが巧まぬうちに、謎解きの様な興味に読者を引き込む。
終わり近くになって物語のヒロイン?ではないのだが、一人の女性が多面性の中で戸惑いながらも自分や人々を語るのは、アイロニックな世界の完成をも見るようで、不思議な感動がある。
これだけ面白い作品が、過去に新潮文庫のモーム集にも無かったとは、やはりモームは過小評価されている。
しばらくモームを、発掘してみたい。
- 作者: W.サマセットモーム,William Somerset Maugham,天野隆司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/11/11
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冬支度 - 酒
今年はオーソドックスにせめてみました。
さてさて。
越乃寒梅、清酒。
寒梅でも一番ローエンドの酒だから、居酒屋で飲む酒とは違う。
私も店でももう相当飲んでいない。
今回の此れは、プレミアムな寒梅を飲んだ時のような、水を飲むような透過してしまうような鮮烈さは無い。
日本酒の甘さはある。
しかし後を引くようなベタさは無い。
このら辺りは同様多種の日本酒との価格含めた比較考量だけど、十分選ぶ価値はあると思いました。
ニッカ、フロム・ザ・バレル
3.5倍程度の水で割っても、舌と喉をザラつかせるwhiskey触感は残る。
飲んでしばらくして、ふと気づくと口蓋の奥にほのかなピート臭もある。
良いウイスキだと思います。
オイル入替、銭湯で文庫本
自動車のオイル入替。
年に一回入れ替えているが、いつも12月くらい。
昨年と同じオイルを今年で二回目、入れる。
フィルターも二年変えていなかったとかで交換。それもこれもあって吹け上がり良くなった。よく使う低速域でもトルク増した、気もする。
気がする、が大事。
たまには高回転で回したいが普通道路ではやはり無理。
早朝走らせる。
車少ないから走れるかと思ったが、そうでもない。
車は買い物とか日常雑務にしか使ってない。もったいない。
今、たまに走らせてみるのが、遠くのマクドナルドとは情けない。
ドライブするのも面倒くさくなってしまった。反省。
一般社会でも、ドライブって言葉が廃れて来てるようだが。
でもやはり早朝、走っていて広い幹線道路に入ると、それなりに走ることができる。
いつもはしない、前の車を横に逸れてビュインと追い抜いたりする。
エンジンは静かによく回る。
でもまあ、5000回転近くをあれこれするのは、高速乗らんとあかんね。
銭湯で文庫本。
スーパー銭湯で上がりの湯に入っていたら、入り口から一人が湯船に入ってきて、なんと文庫本を読み出した。
場所にもこだわりがあるらしく、人が湯から出ると素早く場所を確保した。
端で背もたれができる場所。
両手を湯から出して、両手で文庫本を開いて読んでいる。
時々メガネを直している。色摺りのカバーのある本。
失礼だから見つめたりはしないが、狭い浴槽の中、いやでも目に入る。
ほか2名の浴客も黙って浸かっている。
適当な時間で風呂から上がり浴場から出たが、今思うに、いつまで文庫本を読んでいたのだろうかと、思ったり。
今治産タオル フェイスタオル 布ごよみ 招福猫 サンドベージュ 33×100cm 39680
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ロータス・イーター Kindle版 サマセット・モーム
短編集。
久しぶりにモームを読んだ。
存命当時は大衆小説家などと批判もあったモームは、物語の中での人の面白さを大事にした、軽薄な文学性などに捕らわれない真っ当なストーリーテラー。
3人の太った女。
優雅に老いた、でも肥満した女性3人がリビエラで毎年ダイエット合宿する。
高級ホテル、専門医師のアドバイスメニュー、暇つぶしのトランプ、食事制限に関するあれこれ。
モームが日本に翻訳された当時は、第二次大戦前だろうか、その頃は夢のような異国風俗だったものが今や日本のダイエット界隈では珍しくもない風景。
しかし流石に食欲テーマを当時取上げた先駆者でもあり、地の実力もあり、第1次大戦前の風俗の魅力ありで、するするふんふんと普通の面白さを楽しませてくれる。
ブンガクーという堅苦しさ無いのは流石モーム。
良心的な男。
最初に眼に留まった文字があって、『犯罪者植民地』の文字。
なんだろうこれは?
サン=ローラン=デュ=マロニ、今日で言うブラジルの直ぐ北、ギアナの街なのだが『犯罪者植民地』と称されている。
当時のフランスは犯罪者刑務所をここに造って、バカすかと大量に受刑者をフランスから南米に島送りならぬ南米大陸送りしていたのだ。
こんな歴史的史実一つでも面白い。
でも、街はのんびりした雰囲気もあって、囚人服を着た囚人が、街の仕事・用事とか小間使いにも駆り出されていて、街を歩くと縞々の囚人服と擦れ違うことは珍しくとも何ともない。
囚人ものんびりやっている。
ただし夜になると、監獄では朝まで監視を放り出してしまっていて、たまに原因不明で囚人が死んでることもある。
長い年月ここで過ごした囚人は、もうフランスでの伝手も何もなく、刑務所関係の仕事に喰い付き、土地を離れることが出来ず、仕事の無い時は昼間から酒を飲んでいる。
その地でモームは一人の囚人と出会う。
掘りだしもの。
当時、そろそろ少なく成りつつあったイギリスメイドの話。
翻訳が古いので、女中、と訳されるが紛れもなくエマやシャーリーのようなメイド。
ロータスイーター。
ここまで読んで気が付いた。
この本は読んだことがある。
本棚を引っ繰り返すとあった。昔々の新潮文庫モーム短編集、『ジゴロとジゴレット』。
題名は変わっているが、中身も訳者も同じ
たしか10代末から20代辺りに読んだのだろう。
記した3篇は覚えていなかったが、この『ロータスイーター』は個人的に強い印象があって覚えていた。
今日でも有数のリゾート地である。
ここでモームが語られる話はどういうのだろうか、今風に言えば『ボクは今日会社辞めてきました。』のバリエーションか。
私は昔からこういう、普通の人の生き方から外れて無為にすら見える軌跡に強く興味を持っていた。
人によれば、モームの厳しい皮肉と批判をこの小説で読み取るかもしれないが、私は優しい人が疲れてしまってキツイ言葉をポツリと口にしたような印象を受けた。
いろいろと示唆も読み取れ、改めて読んで感銘があった。
新潮文庫からフォントも文字校正もやってるらしく、電子書籍Kindleになって読み易くなった。
ジゴロとジゴレット。
リビエラの社交界。
大きなディナーの会場で高飛び込みのアトラクション。
19メートルの梯子の上から小さな水槽に飛び込む。
水槽表面はガソリンが炎上している。
その生業をする男女。
長編小説的な奥行もあり、様々な人々の視点あり、人目を惹く派手さもあり、それを本当に小さく短編にまとめている。
まさに短編小説の名手の面目躍如たる作。
下と内容は同じ。
メイド、といえば。
プリメ最終回「生きる」
わりと無難な終わり方をした。
染織家の布というのは何かのファンタジーめいている。
数多くのキャラが出る原作コミックであるにせよ、どらま最終回で新キャラを入れるのは、やや印象が拡散したままで、ドラマではなくて散文のまま終わっちゃった感じあり。
ドラマでは最初の頃の、音楽の使い方が面白かった。
この辺を最後に膨らませて欲しかったかも。
実印ぺたぺた押してたけど危ない遊びだ。
複写して転写とか詐欺めいたことが頭に浮かんで笑えない。
ふつー他人に押させるものでは無いでしょうね。
信用するしないとはまた別のことで。
全体として、ユニークなキャラが多々いるのにドラマでは皆を使いこなせなかった。
沼ちゃん視点から外れ切ることを恐れたせいか。
最終回までに契約しないまでも、なにかもう少し焦点になるものというか集中した着地を見せてほしかったな、というのが正直なところ。
でもまあいいでしょう。
ドラマ臭くない、普通な視点の暖かさがあったドラマでした。
コミックまた読み返します。